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2012年8月14日火曜日

為替見通し 「日本人の円売りは出てくるか」(ロイターより)


ロイター(2012/8/14付)で、唐鎌大輔氏(みずほコーポレート銀行 マーケット・エコノミスト)による「コラム:日本人の円売りは出てくるか」が掲載されています。

要旨メモ:
・円安になるには、「日本人による円売り」がどうしても必要。誰が「売る円」を持っているのかと考えた時に、海外勢は円を持っていなくても売れる投機筋ぐらいだが、投機主導の円安は、今年2―4月に見たように長続きしない。円相場の底堅さの一因としては、経常黒字。
・日本には2012年3月末時点で1513兆円の家計金融資産が存在するが、これを円貨性資産と外貨性資産に大別すると、約97%に相当する1471兆円が円貨性で、残り約3%に相当する43兆円が外貨性となる(筆者推計)。日本の家計部門の現預金志向は主要先進国の中でも特に強く、総資産対比で50%以上の保有比率を誇る。米国は20%弱、英国は30%弱、そして比較的日本人に近い性分と思われるドイツでも40%強。
・「97%」の部分が積極的に外貨性資産へ向かえば、円安転換の一助となり得るが、そうした動きはほとんど見られない。流動性と安全性の高い資産にマネーが引きこもっているのが現状。
・たとえば、景気が良い時、もう少し具体的に言えば株価が上がっていて、内外金利差が十分な時には、日本人が円売りに動くことはある。2007年は円キャリー取引が魅力的な時代だった。内外金利差の確保が難しく、景気先行きが不透明な状況で対外投資を積極化できないのは機関投資家も個人投資家も同じ。
・日本が依然として大きな経常黒字フローを稼ぎつつ、世界最大の対外債権国というステータスを保持していることを考えれば、海外の経済・金融環境が好転し、内外金利差が拡大、日本人が良い意味で保有している円を売りたくなる局面に入らない限り、持続的かつ顕著な円安は予想し難いというのが率直な印象。
・ドル/円相場については「値幅が出ない」という見通しもひとつの考え方としてあって良い。「欧州(ユーロ)が混乱しているうちは、ドルも円も買われ、結局値幅が出ない」という理由付けにそれほど無理はないと思う。

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