ロイターの2012/8/21付の記事「焦点:米年金がオルタナティブ投資に傾倒、積立不足に苦慮」では、米国の大規模な公的年金基金の多くが、2012年、オルタナティブ投資へのエクスポージャーを過去最大規模に膨らませていることを伝えています。
背景は、「株式市場のリターンが振るわず、金利も過去最低水準にあるなか、従来型の投資戦略では年金基金が必要なリターンを得るのは難しくなっている」ため。
2011年の年金基金の投資リターンはターゲットとされてきた8%のほぼ半分の4.4%だったようです。
10億ドル以上の規模を持つ米公的年金基金は2012年6月時点で、オルタナティブ資産への投資比率が15%(中央値)となっている(ウィルシャー・トラスト・ユニバース・コンパリソン・サービス)ようで、これは、「2011年6月の9.2%から大幅に上昇し、過去最高水準に達した」とのこと。
カルパースのオルタナティブ資産への投資比率が14%、ウスカロライナ州退職年金基金では、オルタナティブ投資比率が53%となっているということです。
オルタナティブ投資の魅力は、株式や債券市場のパフォーマンスと連動していない点とされていますが、「リスクやコストが高いという側面もあり、年金基金の運用先として適切なのか、疑問視する向きもいる」とも指摘されています。
ヘッジファンドのパフォーマンスが常に優れているものでもなく、記事では、HFRIファンド・ウエイテッド・コンポジット・インデックス(世界のおよそ2000本のヘッジファンドのパフォーマンスを基に算出)は、「2012年1─6月に1.87%上昇」したの対し、「S&P総合500種指数.SPXは同期間に8.31%上昇」と株式指数のインデックスが平均的なヘッジファンドのパフォーマンスを超過していたことも記されています。
志賀勝則 志賀祥子
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