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2012年9月22日土曜日
VCから投資を受けたベンチャーの多くは失敗するが、失敗の中に成功あり
WSJの2012/9/21付の記事「ベンチャーキャピタル業界の実態―出資受けた企業の4分3が行き詰まり」では、米ハーバード大学経営大学院の上級講師、シカール・ゴーシュ氏が最近行った調査結果を伝えています。
調査結果では、
・2004~10年にVCからおおむね少なくとも100万ドルの出資を受けた2000社以上のデータとVCのポートフォリオを精査するとともに、新興企業にも話を聞いた結果より、「米国のベンチャー支援企業の約4分の3が投資家の資本を返済できていない」「将来性の高い米新興企業のうち推計30~40%が失敗していることになる」とのこと。
・「予想どおりの投資収益を上げていない(特定の収益成長率を達成できていない、特定の期間にキャッシュフローを黒字化できていないなど)という意味であれば、ゴーシュ氏の調査によると、95%以上の新興企業が失敗」
ということ。
これは、他の調査等とは差があり、「失敗に関する詳しい分析が不足していることにある」に理由があるということ。「彼らは成功は強調するが、失敗については一切話さない」という背景もあるようです。
他の調査結果としては下記が紹介されています。
・「業界では一般的に、新興企業10社のうち完全に失敗するのは3~4社にすぎないと言われている」、「10社中3~4社は投資元本を返済しており、1~2社は相当なリターンをもたらしている」という。「ナショナル・ベンチャー・キャピタル・アソシエーション(NVCA)の推計によると、ベンチャー支援企業のうち失敗しているのは25~35%」
・「非営利団体ユーイング・マリオン・カウフマン財団が別々に行った調査によると、全新興企業のうち3年存続する企業は約60%で、10年以上存続する企業は35%」
・「ダウ・ジョーンズ・ベンチャーソースによると、06~11年にVCによる出資を受けて起業した米企業全6613社のうち、現在非上場で独立経営の企業が84%、他社に買収されたか、上場している企業が11%、廃業した企業が4%、現在新規株式公開(IPO)の申請手続きの企業が1%弱」
ベンチャーキャピタリストのコーワン氏は、「人は失敗についてはバツが悪く話したがらないものだ。だが、実は失敗をたくさんしていないということは、よくないことなのだ。それはリスクの高いベンチャーに投資していないということになるからだ」「起業家にとって失敗も選択肢の1つだとわたしは考えている。そう考えなければ、やっていけない」と語っています。
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