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2012年9月5日水曜日
シャープ社債の動向に見る国内社債市場が抱える課題
日経の2012/9/4付の記事「シャープ社債があぶり出す「後出し」リスク」では、シャープの社債で問題が浮き彫りになっている国内社債市場が抱える課題について報じています。
記事で指摘されている課題は下記の点。「最善策が見いだしにくい議論だが、改善を進めていかないと、社債市場の発展を妨げることになりかねない」とコメントがされています。
・社債には他の債務に担保に付けることを制限するコベナンツ(誓約事項)を付けることができる。だが適用範囲を社債に限定し、銀行融資など他の債務を対象外とする場合が大半である点
⇒銀行の追加融資枠を設定の一方、不動産や有価証券などで担保も全額取得。「社債保有者から見ると、資金繰り不安を和らげる材料である一方、他の債務に担保が設定されたことで社債が債務不履行(デフォルト)になった際の回収率は大幅に引き下がることが予想される」こととなる。
・融資のコベナンツに関する適時開示は、定量的な基準が定められていない
・社債管理者のあり方。
①「社債管理者は発行会社の財務内容の監視やデフォルト以降の債権保全・回収を担うが、具体的な権限の範囲が明確でない」。
⇒「担保を設定した2行はシャープの主力行であると同時に、新株予約権付社債(転換社債=CB)の社債管理者でもある」。マイカルでは利益相反の観点から係争に発展した事例もある。
②社債金額(最低単位)が1億円以上の場合は社債管理者の設置が義務付けられていない。
社債管理者を置くことは発行体にとってコスト増にもなるため、現状では大半の社債が非設置債となっている。
制度の形骸化が指摘されている。
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