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2012年9月2日日曜日

30-40 歳代の「資産形成層」の金融面の特徴と顧客ニーズは何か


日本リサーチ総合研究所の調査研究部・主任研究員 藤原裕之氏による2012/9/1付レポート「資産形成層をどう開拓するか~「販売の論理」から「顧客の論理」への転換:金融経済レポート」は、「資産形成層」の特徴について分析されています。

「金融業界は、高齢世代をメイン・ターゲットに置く一方、資産形成層に対して必ずしも十分なマーケティング展開を行ってこなかった。切実な問題を抱える資産形成層にどれだけ付加価値を提供できるかが、金融機関の重要なテーマ」であるとしています。

「資産形成層」とは、ある程度貯蓄が出来て資産形成の入り口に立っている層、つまり 30-40 歳代を指すことが多いと定義しています。
「資産形成層」の 30-40 歳代は、「年金受給の引き上げ、年功賃金の崩壊などを受け、老後の暮らしに備えた資産形成が従来の同世代以上に求められている」ということです。

資産形成層の特徴は下記のポイント。
・「40 歳代と比較して 30 歳代は世代内の格差が大きい」
・「貯蓄に占める預貯金の割合は 30 歳代で約 6 割、40 歳代で約 5 割」で一方「株式の保有比率は 30 歳代で 4%、40 歳代で 5%と低く、趨勢的にも低下傾向」
・バランスシートは厳しい状況で、住宅購入の影響で、「貯蓄額から負債額を引いた純貯蓄額をみると、30 歳代はマイナスの状態(負債が貯蓄より多い)、40 歳代もわずかにプラスになっている程度」
・「元本割れ商品」に対する保有意向を尋ねると、約 8 割が「全く保有したいと思わない」⇒レポートでは、「預貯金重視・元本保証重視の強まりには、ここ数年の市況悪化が影響していると思われるが、根底には、将来不安など資産形成層の抱える構造問題があることは確実だろう」と分析
・金融商品の保有目的は「病気・災害への備え」「子供の教育資金」「老後の生活資金」の 3 要素にほぼ集約。40 歳代になると「子供の教育資金」が増加

資産形成層に対して金融機関が真の顧客志向を発揮する要素として、下記の4つが挙げられています。
①顧客のライフイベントを把握する
ライフサイクル上の様々なイベント(結婚、住宅購入、子育て・教育、退職、老後といった一般的なイベントや、病気、災害、解雇、転職、起業などといった特別な状況のもの)に応じたマネープランや適した商品サービスを提供する必要
②顧客の声とあるべき姿を区別する
顧客ニーズとあるべき姿が乖離している場合、金融機関は、顧客をあるべき姿に導く姿勢
ex.住宅購入のタイミングまで踏み込んでアドバイスするのが真の顧客サービス
③保有資産のリスクを統合的に把握・管理する
顧客との対話を通じ、顧客の保有商品を把握し、顧客に最適な運用プランを提示
④ネットを活用したサービスの拡充
先の保有商品の把握もネットを活用すればスムーズに進む可能性
金融機関の選択理由として、資産形成層は「インターネットによるサービスの充実」を挙げる人が多い


本レポートでは、

「家計の金融行動に関する世論調査」金融広報中央委員会

「家計調査」財務省

のデータが使用されています。

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