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2012年9月20日木曜日
中央銀行の政策は新時代に突入 米国と欧州に見劣りする日銀の政策(武者リサーチより)
武者リサーチによる2012/9/20付のレポート「「ブラックスワン」対中央銀行、見劣りする日銀」では、ベン・バーナンキFRB議長とマリオ・ドラギECB総裁は「「ブラックスワン=貨幣偏愛」を殺すために立ち上がった」として「リスクテイクの潮流」へ(中央銀行が無尽蔵の貨幣発行をすれば「ブラックスワン・シナリオ」は回避できる)、一方、白川日銀総裁は「及び腰、敵も鮮明でなく日本の独り負け形勢(円高デフレ)からの転換はぼやけたまま」と指摘しています。
米国と欧州は、「「ブラックスワン・シナリオ」(=恐怖の増幅によるシステム崩壊の可能性)を排除し、市場心理を根本転換させる」ことに対処していると概ね評価をしているようです。
中央銀行の政策は新時代に突入したと解説し、下記の3点が指摘されています。
1.セーフティーネット、金融危機に際しては最後の貸し手(lender of last resort)ではなく、最後の買い手(buyer of last resort)として振る舞う。
2.流動性供給手段としては従来の銀行貸し出しを経由したそれではなく、市場価格の引き上げ=リスクプレミアムの引き下げを通した購買力の創造として遂行する。
3.金融政策波及メカニズムの変化、資産価格上昇による資産効果、心理効果を重視する、というものである。それはバランスシートの拡大を通して行うため、ゼロ金利の下でも無尽蔵の弾丸を準備できる。
一方で、日銀の緩和策は「臆病」で、「円高デフレの害悪に対する認識、日本のデフレは統計上、過少評価されているとの認識(渡辺務東大教授「物価統計の精度向上を急げ」9月13日経新聞経済教室)、過度のリスク回避により日本の金融市場が完全に機能不全に陥っている(空前絶後のリスクプレミアム)という認識が、著しく希薄と言わざるを得ない」と評価し、「円高デフレの脱却は緩慢で、資産価格上昇も米国やドイツに劣後することとなりそう」との見通しが示されています。
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