金融に関するニュースやブログ記事について紹介するブログです。
金融・経済の動向や、ライフプランとパーソナルファイナンス(資産運用、財産管理、タックスプランニング)、法人・個人の財務の話などをテーマとします。
2012年9月29日土曜日
日本のファンド市場規模(金融庁のファンドモニタリング調査) ~ヘッジファンドの運用資産額は2兆8千億円
金融庁より、平成24年9月28日付で、「ファンドモニタリング調査の集計結果について」が公表されています。
金融庁「ファンドモニタリング調査の集計結果について」
http://www.fsa.go.jp/news/24/syouken/20120928-5.html
これは、金融庁が、ファンド(投資信託、投資法人及び集団投資スキーム(※)をいう。以下同じ)に関する販売(新規の募集、私募、募集の取扱い及び私募の取扱いをいう。以下同じ)・運用の実態を把握するため、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針に基づき、ファンドの販売業者及び運用業者に対し実施したものです。
※本調査において、集団投資スキームとは、金融商品取引法第2条第2項第5号、6号に基づく権利を有する者から金銭を集め、何らかの事業・投資を行い、その収益を出資者に分配する仕組みをいう。
日本には、平成 24 年3月末時点で、14,322本のファンドが運用されており、合計運用財産額は188兆6464億円となっています。国内投資信託が運用本数8,870本・運用財産額140兆円、集団投資スキームが4,692本・運用財産額17兆円、外国投資信託・外国投資法人が712本・運用財産額21兆円、国内投資法人が48本・9兆円という構成です。
・投資信託(運用本数8,870本・運用財産額140兆円)
投資信託は、投資対象が複数地域にまたがる「グローバル」が約半数を占める。外国のみを投資対象とするファンドでは、北米が約9兆 3,470 億円と最も多く、オセアニア、中南米、アジア、欧州がこれに続いています。
・集団投資スキーム(運用本数4,692本・運用財産額17兆円)
(これは、金融機関の窓口等で広くからお金を集める公募の投資信託とは異なり、機関投資家や富裕層から集めて運用するもので、詳細情報は開示されません。)
運用財産額 10 億円未満のファンドが3,045本で約 65%を占める一方、100 億円以上のファンドも約 400 本あります。1000億円以上のファンドも14本あります。
不動産ファンドが、運用財産額全体の約 70%を占めている。またバイアウト、ベンチャー、メザニンといった主に企業に対して投資するファンドが、4,000億円~8,000億円規模で存在しているということです。
*用語の説明は「もっと読む」以下をご覧下さい。
・日本のヘッジファンド規模
ヘッジファンドは、私募により運用されることが一般的であるため、集団投資スキームに含まれます。
下記が日本で運用されているヘッジファンドの本数及び規模ということになります。
運用業者がヘッジファンド的な運用を行っていると申告しているファンドの販売・運用状況
(1)販売状況
○ 平成 23 年4月から同 24 年3月まで販売されているヘッジファンドの本数及び販売額合計
ファンド数 244 本
販売額合計 4,954 億円
(2)運用状況
○ 平成 24 年3月末時点のヘッジファンドの運用本数及び運用財産額合計
ファンド数 405 本
運用財産額合計 2兆 8,078 億円
*用語の説明(資料P13-14)より
「不動産ファンド」
不動産(又は不動産信託受益権)を取得・開発し、賃料その他当該不動産からの収益を得ることにより、利益獲得を目指すファンドをいう。
「現物ファンド」
競走馬、アイドル、ワインなどの現物に投資するファンド及びホテル事業、飲食店経営、小売店経営などの事業に投資するファンドをいう。
「事業再生」
財政状況が悪く、破綻に近いステージにある企業に対して投資し、再生させることを通じて利益を得るファンドをいう。
「メザニン」
企業に対する資金供給として、デットのシニアの部分を銀行等がローンで出し、またエクイティ部分をPEファンド等がとるとして、これらの間にあるデットの劣後部分に対して資金を供給する
ファンドをいう。
「バイアウト」
原則として未公開企業に対して発行済株式総数の過半数の株式を取得する形で出資し、相当期間の間(3~5年程度)経営に参画し、生産性の低い部門等の切離し、業務効率化、経営戦略の変更等により、企業価値を高めた後、上場や株式売却によりキャピタルゲインを得ようとするファンドをいう。
「ベンチャー」
高成長が見込まれるベンチャー企業の未公開株式を発行済株式総数の数十%~50%程度取得し、創業期をサポートしてハンズオン支援を通じて企業価値を高め、IPO時の株式売却により利益獲得を狙うファンドをいう。
「ファンド・オブ・ファンズ」
株券や債券等に直接投資を行うのではなく、それらに投資を行っている別のファンドに対して投資を行うファンドをいう。
「セカンダリー」
他のファンドから投資対象である未公開株式を買い取ったり、ファンドの出資持分の譲渡を受け
たりするファンドをいう。
「ヘッジファンド」
投資家の財産について、レバレッジ、デリバティブ取引、ロング・ショートなどの手法を用いて運用し、リターンの拡大を目指すファンドをいう。
※なお、ヘッジファンドには主に以下の投資戦略がある。
・マルチストラテジー
複数の戦略を組み合わせた戦略。
・株式ロング・ショート
値上がりが期待できる個別株式銘柄群のロングと、値下がりが期待できる銘柄群のショートを組み合わせた戦略。
・株式マーケット・ニュートラル
個別株式のロング・ポジションをコア・ポートフォリオとして保有しながら、先物やオプションを利用することによって市場下落リスクをヘッジし、ポートフォリオが市場の指標の実績を上回るよう、絶対収益を狙っていく戦略。
・グローバル・マクロ
為替・金利・株式・商品等あらゆるグローバル市場で、市場のゆがみ・矛盾や方向性に投資機会を見出し、現物・先物・デリバティブを用いた積極的な運用により、市場の方向に関係なく収益を追求する戦略。
・マネージドフューチャーズ
各国の先物(株式・金利・コモディティ・通貨)市場で投資を行い、価格やテクニカル指標等を基にシステマティックに取引を行う戦略。
・ファンド・オブ・ヘッジファンズ
複数のヘッジファンドに分散投資する戦略。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿