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2012年9月11日火曜日

遺言による相続の手続き 金融機関での故人の口座の引き継ぎまで含めて事前に調べる必要

日経の「司法書士が見た 相続トラブル百科」の川原田慶太司法書士による2012/9/11付の記事「遺言書があるのに故人の思い通りにならない悲劇 実践編第18回」では、遺言書の内容を実行する際に、実際に遺言書の内容通りに手続を勧められるかに注意すべきということを説明しています。

遺言書は作っておくと安心ですが、遺言書の内容通りにきちんと実現されるかどうかが大切であるとしています。遺言に書かれてある内容の実現という「出口」がきちんと確保されているのかどうかを事前にしっかりと確認しておく必要があると指摘されています。

遺言書は、「遺産分けの話し合いが紛糾して、手続きに必要となる相続人たちの実印と印鑑証明書を全員分集めるのが難しくなってしまうような場合に備えて、全員の協力がなくても済むようにを準備しておく」もので、遺言執行者(遺言書の内容を実行する人)を決めておき、「遺言執行者の実印と印鑑証明書があれば、それだけで遺言書の内容が実現できるようにしておく」ことが出来ます。

「遺言執行者」は、遺言をする人が、あらかじめ遺言書の中で決めるもので、特に制限があるわけではなく、遺言書を書いた人が信頼する人、財産の多くを相続する子供、信託銀行のような金融機関がなることもありますし、司法書士のような法律専門職が選ばれることもあります。
遺言執行者を定めておくことで、相続が起こった後には、「遺産を管理する権限が、相続人ではなく、原則として遺言執行者の手に移る」こととなり、銀行の窓口で預金の解約手続や、法務局で不動産の名義書き換えの手続を、相続人ではなく遺言執行者が行うことが出来ます。これを、他の相続人の協力がなくても遺言執行者は「単独で」各種の手続きを進めることができます。

現実には、「金融機関などで、こうした遺言の効能が発揮されないような実務の取り扱いがなされているケース」があるようです。
通例として、預金の解約には相続人全員の実印での押印と印鑑証明書が原則必要ということです。
金融機関によっては、「預金の払い戻しに相続人全員の印鑑を要求せずに、窓口に来た相続人の実印と印鑑証明書さえあれば、その法定相続分に対応する金額分だけ払い戻しに応じる」ところもあるようです。
これは、「窓口に持参された遺言書が、本当に本人が書いたものなのかどうか疑わしい」、「遺言書を書いた本人が、当時は認知症であったことが明らかであって、無理やり書かされた形跡がある」、「この遺言書のほかにも、さらに日付が新しい別の遺言書が存在するようだ」といった事があると金融機関が困るためということです。

筆者注:遺言を作成する際には、実際の財産の引き継ぎの実行にまで留意が必要で、実際の相続の手続までケアしておくべきと言えます。
実際の特に兄弟の仲が悪い場合には、細心の注意が必要です。


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