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2012年9月20日木曜日
改正国税通則法 税務署による「事前通知」の原則義務化や追徴課税の説明義務
日経の2012/9/20付の記事「税務調査、増す説明責任 追徴課税の理由も 改正国税通則法、来年1月完全施行」では、2013年1月に完全施行される改正国税通則法による税務調査の手続きについて解説されています。
ポイントの一つは税務調査前に調査の日時などを納税者に連絡する「事前通知」の原則義務化。
「突然調査に来られて困った」「十分な説明なく追徴課税を受けた」といった納税者の不満を受け、「国税当局に一層の説明責任が課されるようになる」ということです。ただ、「証拠隠滅などが疑われる場合は、今後も事前通知無しで調査できる」とされています。
参考:税理士法人トーマツ2012年5月「税務調査手続きに関する国税通則法の改正と実務への影響」より
改正通則法74条の9で、事前通知は書面である必要はないが、以下の項目を通知する必要がある。
一 実地調査開始日時
二 調査実施場所
三 調査の目的
四 調査の対象となる税目
五 調査の対象となる期間
六 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
七 その他調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項
また、「調査で申告漏れなどが発覚し追徴課税(更正処分)する際、原則として全ての納税者に課税理由を説明するよう義務付けたことも大きな改正点」となっています。
「法改正で国税側からの情報開示が広がり、課税に不服がある場合も反論しやすくなる」(税務に詳しい弁護士)
「これまでは渋々指摘に応じることもあったが、今後は納得するまで説明を求めたい」(中小企業経営者)
参考:税理士法人トーマツ2012年5月「税務調査手続きに関する国税通則法の改正と実務への影響」より
調査の結果更正決定等をすべきと認める場合には、調査結果の内容を説明するものとし、その際、修正申告を勧奨することができるとされた。(改正通則法74条の11②、③)
⇒「当面納税者のとるべき対応としては、否認事項について調査官に納得できるまで説明を求めることである。質問の際は、税法の規定に即した説明を求めるとよい。具体的には、指摘事項について、「把握している事実とその証拠」、「税法のどの条文で課税されるのか」「その条文では課税の要件となる事実としては何が必要としていると解釈できるのか」、「調査官の認定している事実はその条文の課税要件に合致しているのか」という質問をするとよい」とアドバイスがされています。
国税庁は、「8~9月に全国約5万6千人の全職員が参加する研修を実施。10月から施行後と同様の業務を前倒しで始める方針」ということで、改正法の下での業務への対応を進めているようです。
事務負担の増加により「調査件数を減らさざるを得ない」という職員の声や、「細かい事前通知は調査前に手の内を明かすようなもの。これまで通りに申告漏れや所得隠しを突き止められるのか」(国税OBの税理士)とのコメントが示されています。
(参考)
トーマツ2012.05.01 税務調査手続きに関する国税通則法の改正と実務への影響『会計情報』2012年5月号
http://www.tohmatsu.com/view/ja_JP/jp/book/ek/882489e036eb6310VgnVCM1000001a56f00aRCRD.htm#
1.はじめに
2.事前通知
3.事前通知を要しない場合
4.調査終了時の手続き
(1)書面による終了通知、(2)調査内容の説明と修正申告の勧奨
5.同一年度の再調査
6.物件の留置
7. 増額更正期間及び更正の請求期間の延長
財務省 国税通則法等の改正(PDF)
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2012/explanation/pdf/p215_242.pdf
一 更生の請求関係の改正
二 税務調査手続の見直し
三 処分の理由附記
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