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2012年9月12日水曜日

武藤敏郎・大和総研理事長 日本経済の見通しや金融政策について(ロイターより)

ロイターの2012/9/12付の記事「インタビュー:日銀の外債購入問題多い=武藤・大和総研理事長」では、財務事務次官・日銀副総裁を務めた武藤敏郎・大和総研理事長へのインタビューを通して、武藤氏の日本経済の見通しや金融政策について伝えています。
記事URL:http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE88A05F20120912

世界経済は「4%台の成長から3%台の成長に当面減速」していくとみているとのこと。

日本経済は「2%達成が可能とみていた12年度成長率を1.8%に、13年度成長率を1.2%に若干下方修正」したとのことで、経済の減速感を示唆していています。
物価の動向について、「2012年度の消費者物価指数(コアCPI)でゼロ近傍、13年度もゼロに近いプラス」との見通しで、14年度に1%の目標を達成できるとの日銀の見通しについては、楽観的にすぎるのではと疑問を呈しています。また、「日銀は10月末の『展望リポート』で経済・物価見通しを下方修正する可能性がある」としています。

日本経済の直面するリスクは4点で、
1 欧州情勢のさらなる悪化
2 地政学リスクによる原油価格急騰
3 足元では安定しているものの、円高
4 電力供給問題
としています。

日銀の政策対応について、「短期の国債を売り長期を買うツイストオペや、時間軸政策の強化などいろいろ考えうる」し、「量的緩和に限界があるなら、信用緩和の手段としてリスク性資産の買い入れも選択肢」と提言。
ただ、「金融政策に限界があるとは思っていないが、それだけで日本経済を力強く変化させられるとも思っていない」と、「規制緩和などの構造改革」も重要ということです。

金融緩和の是非について、「非伝統的金融政策は、効果も明らかでないかもしれないが、副作用も明らかではない」との前置きの上、「直近インフレが急激に起こるリスクは小さいため、政策当局者としては効果と副作用を比較し、効果の方に期待して行動する必要」があるとしています。
「信用創造のメカニズムが働かなければ日銀がマネーストックを勝手に増やすことはできない」と、量的緩和のみでうまくいくということはないという見方が示されています。

為替について、「日銀による外債購入は問題が多い」と指摘。
為替に働きかけるのであれば為替介入が本来の手段だが、介入は急激な為替変動を緩和する以外の目的で、為替の水準が適切でないから介入することは出来ないと説明をしています。「金融政策の目的は物価の安定とそれによる経済の持続的発展であり、その結果として為替水準が決まる」ということです。


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