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2012年10月31日水曜日

UBSが大リストラ 従業員の15%にあたる約1万人を削減


スイスの金融大手UBSが、従業員を約1万人削減することなどを盛り込んだ経営再建策を発表しました。

UBSによるメディアリリース(2012/10/30):
UBS announces strategic acceleration from a position of strength

エルモッティCEOが主導している34億スイスフラン(36億3000万ドル)の節減と株主への還元に向けた3年にわたる投資銀行業務の見直しの一環で、今回のリストラでは債券取引から撤退、プライベートバンク業務と規模を縮小した投資銀行業務に注力するということです。
人員削減は2015年までに順次実施、削減規模は現在の従業員の15%に相当、主に英国、米国、スイスの従業員が解雇の対象で、従業員数は約6万4千人から5万4千人に減ることになります。
削減地域はロンドンが中心。スイスでは今後2~3年間で約2500人、米国ではこれをわずかに上回る数で、残りは英国になる模様です。

UBSは2008年に債券取引で500億ドル以上の損失を出して破綻寸前に追い込まれ、2011年には投資銀行部門の株式トレーダーが未承認の取引を行い約20億ドルの損失を出していました。

改革の決定は世界経済が悪化し、規制当局の姿勢が厳しくなり、資本規制も強化されつつあることが明瞭になったことが契機となっているようです。
リスク資産は現在の約3千億スイスフランから2017年末までに2千億スイスフランにまで減らす目標を設定しています。
*2012/10/30時点で1フランは約85円

主要メディアが報じています。
・WSJ「UBS、ロンドンのトレーディング部門で数千人規模の解雇を実施」(2012/10/31)
http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_539210
・Bloomberg「UBS、1万人削減やリスク資産8.5兆円圧縮で株主還元拡大へ」(2012/10/29)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCMMAY6KLVRB01.html
・ロイター「スイスUBS、フィクストインカム部門の縮小と1万人削減を計画 第3四半期は赤字」(2012/10/30)
http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPTK822700820121030
・日経「UBS、従業員1万人削減 投資銀行を縮小」(2012/10/30)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM3005R_Q2A031C1FF1000/

ブログ'金融日記'にてブロガー藤沢数希氏は、水面下で、スイス政府から強烈な圧力を受けていたのではないかと推察しています。UBSやクレディ・スイスの資産規模は自国のGDPをはるかに上回っている資産規模の影響力があり、自国スイスの金融機関が規制などにより、国際金融マーケットでの競争力を多少なくすことになっても、次の金融危機で他国に救済を要請しなければいけないかもしれないことになり主権が脅かされかねなくなるという屈辱的なリスクを無くす方を取ったのではないかとして、「UBSの恐ろしいほどの人数のリストラは、世界の金融システムを変えていこうという何か大きな力が働いているように思える」と印象を述べています。
金融日記「UBSの1万人リストラとスイス政府の決断」(2012/10/30):
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51934552.html

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・2012/9/20 リストラの嵐の外資系金融機関 厳しい雇用環境が続く見通し
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/09/blog-post_3577.html
・2012/9/19 外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々(藤沢数希/著)読後の感想
http://money-learn.seesaa.net/article/293271618.html

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