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2012年10月2日火曜日

ソフトバンクによるイー・アクセス買収は孫社長の素早い決断 発表翌日の株式市場は高評価

*2012/10/2「孫さんは損する?損しない?破格のプレミアム245%。 ソフトバンクによるイー・アクセス買収」のアップデートです。

ソフトバンクによるイー・アクセス買収が発表された翌日の2012/10/2、株価は一時、前日比4.7%高まで買われました(日中上昇率としては8月1日に記録した5.8%以来の大きさということです)。
終値は前日比2.9%増の90円高で3,195円で、株式市場からは好感される結果となりました。iPhone5向けの3.9世代サービスに使える周波数帯(イー・モバイルブランドで提供する1.7GHz帯のLTEネットワーク)や基地局の場所を獲得できる点が評価されているようです。
イー・アクセスはストップ高の23,000円。
株式交換比率が16.74と決定されているので、ソフトバンクの株価に連動し、10/2終値をもとにすると3,195円×16.74=53,484円へ今後さや寄せされていくことになります。

日経の2012/10/1朝刊では、KDDIも周波数拡大を狙いソフトバンクより早い段階から買収を検討していたものの、買収額で折り合いがつかない状態であったところ、ソフトバンクが「ここ1~2週間で巻き返した」と伝えています。
(*十分なプレミアムを付けることにより一気に買収を実現したことが窺えます。決断力や勝負に出るスピード感は孫社長ならではと言えます。)
日経2012/10/2「決め手は「iPhoneへの孫氏の熱意」 イー・アクセス会長が語る」より、イー・アクセスの千本倖生会長は10/2午前、日本経済新聞記者のインタビューで、「当初はソフトバンク傘下入りせず、これまで通り独立系として経営していく方針だったものの、孫社長から1.7GHz帯周波数の必要性を強く説かれ、事業売却のタイミングも適切だと判断した」ということです。「具体的な提案を(ソフトバンクが)持ってきたのは、1週間くらい前。それからはハードな交渉があって、最後の3日間はほとんど寝ていない」、「持ち帰って検討し、丸くゆるやかに返事がくる他社と比べ」、「孫さんとの交渉では、その場ですぐ『分かりました』と返事が来る」とも語っており、オーナー同士のスピード感が見てとれます。

KDDIがiPhone5で高速通信規格のLTE開始に合わせ、テザリングを導入するといち早く発表したことで、ユーザーが一気にソフトバンクからKDDIに流れていたところ、「ソフトバンクモバイルは、iPhone 5のテザリングサービスの開始日を2013年1月15日から、2012年12月15日に前倒しすること、「月間1.2Gバイトの通信量を超えると、通信速度の制限をする場合がある」としていた運用ルールを、「3日間で1Gバイトを超える場合は通信速度の制限をする場合がある」に変更する」(ITmedia「ソフトバンク、イー・アクセスを子会社化――1.7GHz帯の電波を取得」より)と攻勢を強めています。

市場関係者もソフトバンクによるイー・アクセス買収を好評価しています。

日経(2012/10/2)「ソフトバンクのイー・アクセス買収、プロはどう見る」より
○UBS証券アナリスト 梶本浩平氏
・LTEに対応可能なエリアが一気に広がることで、加入者の獲得におけるソフトバンクの競争力は大きく向上
・買収額も見かけほど割高ではないとみている。希薄化の比率も5%程度と低い。のれん償却を仮に20年均等償却として試算しても、年間57億円程度と負担は少ない
・買収によってイー・アクセスが現在抱える加入者410万人も取り込めることを考えると、買収額も十分に正当化
・イー・アクセスのバランスシートには基地局などをはじめ買収額(1800億円程度)とほぼ同水準の約2200億円のモバイル用資産が計上。仮にソフトバンクがイー・アクセス買収で得られるのと同じエリアカバレッジをゼロから構築するとしたら、短く見積もっても1年では難しい。「お金で時間を買う」といったまさに教科書通りの案件
・買収による直接的な1株利益(EPS)の押し上げ効果(希薄化を考慮)は10円強とみられる
・2012年12月の「テザリング・サービス」(スマホ経由で複数端末をネット接続できるサービス)の開始以降、加入者数の増加などを確認しながら買収効果を見ていく必要がある

○朝日ライフアセットマネジメント・チーフファンドマネジャー 佐久間真氏
・買収で新しい周波数帯を獲得できる意義は大きい。イー・アクセスのLTEネットワークの獲得による収益基盤の強化というメリットは大きい
・希薄化分は5%程度。希薄化分は今後の収益貢献で十分に吸収できるだろう。一見、割高とみえる買収案件でも過去に成果を出してきた孫正義社長の経営手腕への期待感もある
・スピード感をもって拡大策を打ち出す同社の事業戦略そのものは評価できる
・KDDIやNTTドコモなどに比べて配当利回りなどの面では見劣りするが、成長期待は大きい

Bloomberg(2012/10/2)「ソフトバンク株価2カ月ぶり上昇率、Eアクセス買収を評価-東京市場」より
○野村証券金融経済研究所の増野大作氏
・統合により、米アップルの端末「iPhone(アイフォーン)5」向けの3.9世代サービスに使える周波数帯を獲得できる意義は「中長期的に大きい
・相乗効果3600億円が発揮されるなどすれば中期的にプラス

(*孫社長のプレゼンテーション動画へのリンクです。)
ソフトバンクIR・ソフトバンクとイー・アクセスの経営統合について(2012年10月1日)
オンデマンド配信
http://webcast.softbank.co.jp/ja/press/20121001/index.html

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