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2012年10月8日月曜日

ウェルス・マネジメント(プライベートバンク)の方向性 RMを中心としたチームによる顧客カバーとテクノロジー活用がカギ

コンサルティング大手アクセンチュアのサイトで金融サービス本部・パートナー・証券・資本市場グループ・神英樹氏による「ウェルス・マネジメント・ビジネスの変化~デジタル時代の顧客ニーズへの対応」では、富裕層のデジタル時代の顧客ニーズに対応するヒントが掲載されています。
PDF: http://www.accenture.com/SiteCollectionDocuments/jp-ja/PDF/industry/finance/Accenture-fsa27-2.pdf

「従来のウェルス・マネジメント・ビジネスは、資産管理アドバイザー個々の能力に依存したモデルが主流であった。アドバイザーが窓口となり特別な商品を提供したり、アナリストによる貴重な情報を提供することにより差別化を図るモデル」と説明されています。
従来は、「営業を効率的に実施するために、保有資産で顧客をセグメント化し、富裕層=対面、マス顧客=ネットという形でチャネルを使い分けるという考え方」が一般的であったが、各種情報がネットで流れる時代であり、ネットの利用が日常的になっている現在、アドバイザー側との情報格差も小さくなってきており、「こうした状況では、顧客ニーズに即した商品の提供や、資産全般に関するアドバイス実施といった包括的なサービスが必要となる」ということ。
「株・債券・ファンド等商品のスペシャリストや、不動産、税務といった分野のスペシャリスト」といったチームも重要ということです。

アクセンチュアの海外事例によると、
1. リレーションシップ・マネジャーを中心としたチームによる顧客カバー
2. テクノロジー活用によるカスタマー・エクスペリエンスの提供とアドバイザー支援強化
という方向性での対応がなされているようです。

ポイントは下記の通り。
1. リレーションシップ・マネジャーを中心としたチームによる顧客カバー
・顧客の幅広いニーズに応えるため、アドバイザー個人だけでなく、ミドルオフィスに商品、税務などの専門家からなるチームをそれぞれ組成し、リレーションシップ・マネジャーを中心としたチームにより顧客ニーズに応える体制
・顧客との信頼関係構築がなにより重要であり、優秀な人材をどれだけ獲得・育成・維持できるかがカギ
・。業績評価のための指標をチームごとに明確にするとともに、チーム間の情報がスムーズに共有される仕組みが重要
・各チームに所属するメンバーのキャリアモデルも重要⇒明確なキャリアモデルがあるからこそ、優秀な人材を育成・維持できる上、個の利害関係を超えて顧客に貢献する文化が醸成される

2. テクノロジー活用によるカスタマー・エクスペリエンスの提供とアドバイザー支援強化
・専門家からなるチーム体制を構築・維持するのは非常にコストがかかるため、テクノロジーを活用することで、「アドバイザーの生産性」および「カスタマー・エクスペリエンス」の向上を目指す取り組み(顧客に期待以上のサービスを経験させ、カスタマー・エクスペリエンスを向上)
・顧客属性や各種チャネルを通じた顧客のアクセス履歴を分析し、ニーズにあった提案を、顧客の望むタイミングとチャネルで提供する
・アドバイザーに対しては、これらの分析を通じてどの顧客に何を提案すべきかをタイムリーに提示することで、アドバイザーの生産性向上を図る
・アドバイザーに各種ツールを埋め込んだタブレット端末を配布することで、提案準備の負荷を軽減し生産性を向上させるとともに、対面コミュニケーション時の質を改善
ex ・は顧客との会話の進め方をワークフロー化(タブレット端末上に質問すべき事項等をトークスクリプトとして表示)
  ・ポートフォリオ分析ツールや専門家との TV 会議ツールをタブレット端末で提供する方法(デジタル時代の顧客はレスポンスの速さを求めている)
課題 ・伝統的なアドバイザーはタブレット端末やネットの活用に消極的なようである。アドバイザー自身の属人的な能力を標準化することにもつながるため、抵抗があるのであろう

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