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2012年12月27日木曜日

安倍政権の'アベノミクス'が失敗するリスク要因は


自民党・安倍政権が誕生します。
安倍氏の経済政策は、積極的な金融政策によっても実体経済が好転しない可能性もあるが、懸念は円への信認の崩壊することです。
*また、財政拡大や財政規律の緩みが国債金利上昇を招くリスクもありますね。

日経記事「賢い個人は「安倍リスク」も踏まえて動く日本経済研究センター主任研究員 前田昌孝」(2012/12/26)では、「賢い個人投資家はアベノミクスが失敗するリスクも踏まえて分散投資に取り組まざるをえない」と解説がされています。
*記事では、「アベノミクスが失敗するリスクも踏まえた分散投資」の具体的な対処方法ではなく、「アベノミクスが失敗するリスク」についての解説が中心になっています。

前田氏は、「アベノミクスはひょっとしたら成功するかもしれないし、筆者も成功を望んでいる」としながらも、もしアベノミクスが失敗すれば、帰結は日本売り、つまり、株安と円安のどちらか、あるいはその両方になることが見込まれるとしています。

「アベノミクスが失敗するリスク」について、下記の点を指摘しています。

①に2%のインフレ目標の設定が今の日本経済の実力から見て高すぎる恐れ
・%程度の値上がりならば大したことがなさそうに見えるが、消費者物価指数を構成する588品目のうち、2000年以降に年率平均2%以上上昇したのは、19品目しかない。生鮮食品を除くと、灯油、指輪、たばこ、出産入院料、ガソリン、プロパンガスだけ
・その多くはコストプッシュ。つまり、原材料価格や税金の上昇に伴って値上がりした。安倍氏は金融緩和によって景気を好転させ、ディマンドプルで物価を引き上げようと考えているのだろう。しかし、日本経済の需要と潜在的な供給力の差を示す「需給ギャップ」は、内閣府の試算では4~6月期の10兆円から7~9月期に15兆円に拡大したばかり。デフレ脱却はどう見ても遠のいている。この状況を逆転させようと思えば、金融政策に相当の無理がかかるのは必至

②「異常な円高」の是正を大目標に掲げていることも、やや実態とずれている
・2011年の社会保険料などを含む時間当たり報酬は日本が35ドル71セントと米国の35ドル53セントをわずかに上回るだけにとどまる。ドイツやフランスと比べても大幅に低賃金。円高だからといって日本の雇用者報酬が他の先進国と競争できないほどに高くなっているわけではない
・円安によって輸出が増えても、天然ガスなどを高く買わなければならない。やはり円安誘導よりも、先進国にふさわしく高付加価値で魅力のある製品の開発で苦境を乗り切ることのほうが王道

③中央銀行への信認が揺らぐことへの懸念
・金融政策のエキスパートを中央銀行に集め、政府から独立した政策判断を委ねることで、安定と成長のバランスを追求するのが、先進資本主義国の知恵だったはず
・短期的な効果を狙った政策は中長期的な国家の繁栄や国民の利益につながらない恐れもある



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