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2012年11月30日金曜日

日本株の潮目は変わったか? 日本経済と株式市場のポイント


日興アセットマネジメントが毎月公表している日興AMファンドアカデミーマーケットシリーズ「'Japanese Economy'日本経済新たなる登攀」は、図表とともにポイントが解説されており、大変重宝する情報源となっています。

2012年11月のタイトルは「日本株式の上昇の鍵となる「円安の進行」と「海外投資家の買い」」となっています。
PDF: http://www.nikkoam.com/files/fund-academy/japanese-economy/pdf/1211_01.pdf

下記は、各項目の内容の要点をメモしたものです。

1.今月のトピック≫日本株式の上昇の鍵となる 円安の進行」と 海外投資家の買い」
・総選挙後に次期政権を担うことが有力視されている政党の政策をにらみ、円安基調に弾みが いたことなどを背景に 日本株式が買われる動きが強まっている。11月半ばを境に、日本株式は上昇基調に転じ、日経平均株価は、11/26には約6ヵ月半ぶりとなる9,400円台を一時回復するなど好調な推移
・日本株式の牽引役として注目されているのが海外投資家の動向。た11月第2週の東証の投資部門別売買状況によると、海外投資家の日本株式の買越額は1,292億円。これは、10月第3週以来の高水準。
・これまで円高による企業業績の鈍化が嫌気され、海外投資家は、日本株式の持ち高を減らす傾向にあったが、日本株の上昇の勢いが強まる中、持ち高が少ないことによって運用成績が劣後するリスクに対応するため、日本株式の積み増しに動いているとみられる。
・最近の円安や株価の上昇が急ピッチであることや、一部には期待が先行し過ぎているとの見方が強まっていることから、円安や株高の進行は一旦調整に向かう可能性もあろう。しかしながら、総選挙後はどの政権・枠組みになっても金融緩和圧力が増すとみられることは、円安をもたらしやすいと考えられるほか、米国や中国の良好な経済統計の発表を背景に、足元で海外株式市場が堅調に推移していることなどから、海外投資家の日本株式買いは今後も活発化しやすい傾向にあると考えられよう。

*潮目が変わったとみるか、期待先行で総選挙後はまたジリ貧となるか、金融緩和が経済の実需を伴って効果があるのか、注意深く見ていく必要はありそうです。

2.まとめ:国内景気は年初に比 悪化するも、年明け以降は持ち直しが期待される
・日本株式の投資環境→企業の改善努力によって、収益体質の改善が明確になってきている。海外景気の減速懸念や国内景気の低迷など不透明要因はあるものの 足元の円安の進行や株価バリュエーションなどが相場の下支え要因となろう
・景気全般の状況→日本の10-12月期のGDPは横ばい圏内か、マイナス成長になると予想されるが、米国や中国で景気の持ち直しを示す経済指標が相次 ち直しを示す経済指標が相次 る となどから 年明け以降は景気が持ち直しに転じ くと考えられる
・弱含み状態にある生産活動→内外需とも依然として停滞していることから、生産は当面弱含みの状況が続くと予想
・企業の構造変化
・海外景気の動向が注目される輸出
・底堅さを維持する消費

【景気全般の状況】
3.2012年7-9月期GDPは3四半期ぶりにマイナス成長
・2012年7-9月期の実質GDP成長率(1次速報値)は、前期比年率換算▲3.5%となり、3四半期ぶりにマイナス成長
・復興需要などに伴ない公的需要は増加したが、個人消費の悪化や、先行き不透明感の強まりによる設備投資の手
控えなどで民間需要が落ち込んだほか、海外経済の減速による輸出の減少も影響
・輸出の減少がGDPの押し下げに最も寄与

【弱含みの状態にある生産活動】
4.弱含みの状態にある生産活動
・内外需とも依然として停滞していることから、生産は当面弱含みの状況が続くと予想
・在庫調整は続いているものの、それ以上に需要が減少しているため、在庫調整圧力は引き続き高い状況に

5.マイナスに転じた設備投資
・足元で輸出の減少が続き、生産が弱含む中、企業は不要不急の投資の実行を先送りしている可能性があるものの、日銀短観などによる設備投資計画も底堅いものとなっており、設備投資の持ち直しが期待

【企業の構造変化】
6.企業業績を支える日本企業の収益体質の改善
・2012年4-6月期の法人企業統計によると、企業の売上は前年同期比▲1.0%(前期:同+0.6%)、経常利益は同+11.5%(前期:同+9.3%)となった。経常利益は増加を続けたものの、売上高は2四半期ぶりの減少
・損益分岐点比率、売上高経常利益率は引き続き良好な水準にある

【海外景気の動向が注目される輸出】
7.輸出の重石となる海外経済の減速
・当面、中国向け輸出は自動車を中心に減少傾向が続くとみられる。反日感情による不買運動の影響は徐々に薄れていくと予想されるが、欧州景気の先行き不透明感も依然として強いことから、輸出の回復は年明け以降になると考えられる

8.弱いながらも改善傾向にある企業の景況感
・景気の先行指標として注目される上記の製造業景気指数が、米国および中国において改善傾向にある。輸出の回復を通じて、日本の生産の持ち直しに寄与することが見込まれる

9.持ち直しが期待される世界経済
・IMF(国際通貨基金)は、2012年の世界の成長率予想を3.3%(7月時点3.5%)、2013年の予想を3.6%(同3.9%)とそれぞれ下方修正。欧州経済の停滞が、先進国のみならず、成長の中核を担う新興国にまで波及しており、IMFでは、「世界経済が数ヵ月前よりも先行き不透明な状況に陥っている」と分析
・IMFが「世界経済の最大のリスク」と指摘するユーロ圏においても、2013年には景気が回復に向かう可能性があるとみられている

【底堅さを維持する消費】
10.生産調整が影響し始めた労働市場
・2012年9月の有効求人倍率は8月の0.83倍から0.81倍となり、2009年7月以来、3年2ヵ月ぶりに前月から低下
・輸出停滞を主因とした製造業の生産調整を背景に、製造業中心に厳しい雇用環境が続くとみられる。ただし、団塊世代の大量退職に対応するため、非製造業が採用を増やす傾向にあることから、労働市場の大幅な悪化にはつながらないと考えられる

11.足踏み状態が続く所得環境
・一人当たり賃金の減少が、雇用者所得を押し下げている

12.悪化傾向にある街角景気
・2012年10月の景気ウォッチャー調査によると、経済活動の現場に近い人々が感じる、足元の景況感を示す現状判断指数は、前月比▲2.2ポイントの39.0と、6ヵ月連続で景況感の分かれ目である50を下回った
・また、景気の2~3ヵ月後を予想する先行き判断指数も、41.7(前月比▲1.8ポイント)となり、6ヵ月連続で低下
・消費税引き上げの駆け込み需要などへの期待感がある一方、日中関係悪化を背景に、中国向け輸出および観光客の減少に対する懸念などが景況感の悪化に

13.根強いデフレ圧力
・2012年9月の消費者物価指数(除く生鮮食品)は、前年同月比▲0.1%と5ヵ月連続のマイナス。電気代の値上げやガソリン高などを受け、マイナス幅は前月に比べ縮小したが、家庭用耐久財やテレビやプリンターなど教育娯楽用耐久財、および外国パック旅行など幅広い品目で価格が下落しており、 デフレ基調は変わっていないとみられる

【日本株式の投資環境】
14.日本株式市場の変動に大きく影響する海外投資家の動向
・投資家別売買動向で海外投資家は、2012年5月以降は、世界的な株式市場の下落などを背景に日本株式を売り越す傾向にあったが、世界的な株式市場の持ち直しを受け、10月は小幅ながらも買い越しに転じた

15.2012年度の企業業績見通し
・海外景気の減速や国内景気の低迷に注意する必要はあるものの、足元で円高修正の動きがみられていることは、企業業績回復の追い風

















(東証一部企業の経常利益合計(1989-2013年度予想))
日興アセットマネジメント作成より


16.日本企業による海外企業のM&A拡大
・2011年の日本企業の海外企業へのM&A件数は455件となり、近年では最も多い件数となった。また、2012年においても、前年を上回るペースで活発なM&Aが行なわれている

17.注目される株主還元の活発化
・2012年は企業業績の増益基調への回帰が期待される中、企業の株主還元意識が引き続き高いことから、今後も自社株買い総額、配当総額ともに増加基調を維持していくと予想

18.配当利回りの魅力高まる日本株式
・、配当利回りの上昇がさらに進む一方で、10年国債利回りはおおむね低下基調にあることから、TOPIXの配当利回りは10年国債利回りを大きく上回っている

19.企業収益の改善が株価を下支え
・企業の収益体質の改善基調が明確になる中、企業業績は総じて底堅く推移
・国内景気の下振れが懸念されるものの、米国が緩やかながらも拡大基調を維持し、中国でも景気減速の動きに歯止めが掛かるなど、海外経済全体として成長の動きが続く可能性が高いとみられることは、企業収益を下支えていくとみられる

20.低い水準で推移する日本株式のPER
・2012年10月末時点の予想PER (12ヵ月予想利益ベース)は、日本(TOPIX)は約11.7倍、米国(S&P500)は約12.6倍
・企業業績の回復や企業の収益体質の改善などに伴ない、日本株式のPERは過去と比べると極めて低い水準で推移

21.低水準にある日本株式のPBR
・現在の日本株式は 現在の日本株式は、PBR PBRがが11倍を下回る水準にあるなど歴史的な低水準

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