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2012年11月10日土曜日

債券(公社債)投資の利息、償還損益、売却損益に関する税金(証券税制)について

個人投資家における債券(公社債)投資の利息、償還損益、売却損益に関する税金についてです。
*債券(公社債)投資の税制はややこしいです。

大和総研より、「すぐに役立つ税金ガイド 税金読本(2012年度版)」の「公社債投資の税金」の部分がアップされています。
内容は、公社債の種類、公社債に対する課税の概要、利付債の税金、個人向け国債への課税、ABS(債券型)の税制、割引債の税金、新株予約権付社債の税金、特殊な債券(仕組債とよばれる特殊なキャッシュ・フローを持つ債券)の税金、譲渡損益の損益通算と幅広く網羅的に所得税の課税関係について取り上げられています。
PDF: http://www.dir.co.jp/souken/research/report/law-research/tax/12110801tax.pdf

ここでは、債券の購入をした場合でよく出てくる基本的なポイントを押さえておきます。
細かい部分は大和総研のPDF資料で確認出来ます。例えば、新株予約権付社債、仕組債、他社株転換可能債(EB)はそれぞれ確認が必要です。

債券(公社債)の収入は、一定期間の経過後に定められた利率をもらえる利子、債券の満期に入ってくる償還金額と買った金額の差額である償還差益、満期前の途中で売却した場合の売却額と買った金額の差額である譲渡益に分けれます。
債券の種類は、大まかには、
・利付債(額面のクーポン利息をもらい、満期には額面が償還。途中で価格は動き、額面で売買されるとは限らない)
・割引債(発行時に額面から利息分を差し引いた金額で買う。額面未満の価格で発行されて額面で償還される債券で、期中に利払はない)
があります。

①利子
・一律20%(所得税15%・住民税5%)の源泉分離課税(源泉徴収されるので確定申告等は不要)

②償還差益
・利付債は雑所得として総合課税
・割引債は発行時に所得税18%の源泉分離課税が源泉徴収され、償還時に改めて税金が徴収されることはない
ex.90円発行で100円償還の割引債があるとすると、発行時に償還差益10円の18%にあたる1.8円が先取りで課税される。この1.8円は割引債の発行価額に上乗せさ、90円+1.8円の91.8円で購入。
(利付債を、額面金額を超える金額で購入し、額面で償還を受けた場合は償還差損が生じた場合は、損失が無かったものとして取り扱う)
*外貨建債券の償還により外国通貨で受け取った償還金は、現実に本邦通貨(円)に交換されない場合であっても、税務上、円換算を行って本邦通貨により償還差益を計算。償還差益(為替差益を含んで計算)が生じた場合は、 雑所得として総合課税の対象となり、原則として、確定申告が必要。(外貨換算は、取引金融機関の公表する為替レートを用いる)
*外貨建債券の償還損は利付債は所得計算上ないものと見なされ、割引債の償還損は総合課税の雑所得内で損益通算可能(利付債は雑所得内でのみ通算を可能とする説、割引債は利付債と同様に雑所得内部でも損益通算不可能とする説もあり、実際に損益通算する場合は専門家や税務署へ要確認)

③譲渡益(売却益)
・一般の利付債・割引債は非課税
・国外で発行された割引債(ゼロ・クーポン債など)等は譲渡所得として総合課税の対象(譲渡損は損益通算の対象)。
*総合課税の譲渡所得には、50万円の特別控除があるので、譲渡益50万円までは非課税。
・利付債を利払日と利払日の間に証券会社を通して売買する場合には、売り方の保有日数に対応する利息である経過利子を買い方が売り方に支払うが、、受け渡される経過利子は、税相当額として20%を控除した額による。経過利子も譲渡収入に含まれる。経過利子に対する20%の税相当額は所得税や住民税そのものではないため、確定申告による精算はできない
(割引債類似の利付債や新株予約権付社債等は総合課税や申告分離課税となります)
*外貨建債券の利付債の譲渡益は原則非課税、譲渡損はないものとみなす(何の利益とも相殺出来ない)。
*外貨建債券の譲渡損は利付債は所得計算上ないものと見なされ、割引債の譲渡損は給与や事業所得など総合課税扱いの他の所得と損益通算可能 →参照: https://www.netbk.co.jp/wpl/NBGate/i900500CT/PD/fp_column_07_4

○個人向け国債にかかる税金は?
・通常の利付債と同じく、利子に対して20%の源泉分離課税
・中途換金は、口座を開設している証券会社等を通じて国に買い取ってもらう方法により行う。買取額は、額面金額に経過利子相当額を加えた額から、直前2回分の各利子(税引前)×0.8(注)を除いた金額となる。中途換金の際の譲渡益は非課税。個人向け国債の取扱機関に口座を開設している個人間の売買は、発行日以後、いつでも可能。その場合の譲渡益も非課税となる。
(注)平成25年1月10日以降に国が買い取るもの(既発債含む)については、「0.79685」
・償還時には額面100円で償還される。通常は発行時に額面で購入するので、償還差益は発生しないが、個人間売買で購入した場合は、額面と購入金額との差額が償還差損益となる。償還差益は雑所得として総合課税の対象。

(*は筆者の追加部分)

【関連記事】

・2012/8/30 金融庁 日本版ISAの恒久化の税制改正要望を正式提示
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_5693.html


【マネーの知恵(仮)関連記事】
・2012/8/14 債券、株と一体課税の方向(日経より) 10%の軽減税率は終了か!?
http://money-learn.seesaa.net/article/286617544.html
・2012/9/6 海外債券の為替ヘッジの超過利回りは、「海外長短金利差 - 日本長短金利差」
http://money-learn.seesaa.net/article/290491730.html


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