国税庁 平成26年7月1日
「被買収会社の従業員に付与されたストックオプションを買収会社が買い取る場合の課税関係」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/02/49.htm
照会内容
・A社はストックオプションを従業員に付与している
・ストックオプションである新株予約権の設計
無償
インセンティブ報酬として従業員に対して付与する目的
従業員が本件ストックオプションを譲渡する場合、取締役会による承認が必要
A社がB社に買収されることが決定。
その際、A社の取締役会の承認を受け、その譲渡制限の解除(譲渡承認)後直ちに、B社が時価で本件ストックオプションを買い取ることに。
→従業員の所得税の課税関係はどうなるか?
回答
・譲渡制限が解除された日において、従業員に給与所得が発生
・給与所得として課税される経済的利益の額(譲渡承認日における本件ストックオプションの価額(時価))に相当する額が本件ストックオプションの譲渡に係る譲渡所得等に係る取得費等となりますので、本件ストックオプションの譲渡により、譲渡所得等は生じない
(例)
付与時 権利行使価額 1株100万円
買収時 株式時価 1000万円
↓
1000万円から100万円の差額である900万円が従業員に給与所得課税(総合課税)となる。
課税時期は取締役会による譲渡承認日。
また、買収が決定していて、譲渡承認日と買収価額は同一となるため、譲渡損益は発生しない。
(理由)
~国税庁回答より~
譲渡についての制限その他特別の条件が付されているストックオプションが付与された場合、付与時点においては何ら経済的利益が実現していないことから、その付与時点において課税関係は生じませんが、ストックオプションの権利行使をする場合、取得した株式の価額と権利行使価額との差額が経済的利益として実現することから、その権利行使時に当該経済的利益について課税関係が生じることになります(所得税法施行令第84条)。
一方、照会の場合、従業員は本件ストックオプションの権利行使をしていませんが、その譲渡を行うに当たり、A社の取締役会の承認を得て譲渡制限を解除する必要があり、その結果、従業員(本人)の意思による第三者への譲渡が可能となります。この譲渡制限の解除により、それまで未実現と捉えられていた経済的利益が顕在化し、収入すべき金額が実現したものと考えられます(注)。
(注) 新株予約権等(株式を無償又は有利な価額により取得することができる一定の権利で、当該権利を行使したならば経済的な利益として課税されるものをいいます。)をその発行法人に譲渡した場合についても、当該譲渡の対価の額から当該権利の取得価額を控除した金額を、給与所得等の収入金額とみなすこととされています(所得税法第41条の2)
[関連リンク]
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http://www.slideshare.net/EisukeIto/110924-samurai
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ブログ読ませていただきました ^^
返信削除すごいわかりやすい文章ですね ^^
また勉強しに覗かせていただきます ^^
よろしくお願いします ^^
TJサポートデスク 濱上
http://team-jones.net/wp/