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2014年11月7日金曜日

ファンドラップを推進する証券会社(水戸証券の取り組み)~「お客様とのつながり」という入り口~

野村総研の「金融ITフォーカス」2014年11月号では、水戸証券執行役員(経営企画・投資顧問部担当)の阿部進氏へインタビューがされています。
・野村総研 「金融ITフォーカス」2014年11月号
金融×IT対談
水戸証券株式会社 執行役員 経営企画部・投資顧問部担当 阿部 進 氏
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野村総合研究所 小川 宣雄
http://www.nri.com/~/media/PDF/jp/opinion/teiki/kinyu_itf/2014/itf_201411_2.pdf

証券業界で販売手数料重視の姿勢から資産管理型営業を推進する動きが強まっている流れの中、水戸証券のファンドラップの推進の取り組みについて語っています。
アメリカではフィービジネスが先行しており、SMAやファンドラップなどの投資一任契約の残高が伸びています。
日本においても徐々に対面型証券ビジネスの変革が進み、アドバイスニーズが高まるはずとのシナリオのもと、ストック収入を増やして安定的な利益の計上を目指すにはどうすればいいのかを考えたところ、ファンドラップが最適な商品と位置づけたとのことです。

ファンドラップは契約を結んだ時点では「お客様とのつながり」という入り口で、その後、定期的にフォローを続けていくことに付加価値が見い出せるサービスで、マーケットが変動しているときにこそ、説明力がプラスに働く特性を持っていると説明されています。
ファンドラップはややもするとバランス型の投資信託と思われがちなのを、人が介することによって付加価値が付けられるかが勝負です。
年一回、戦略的アセットアロケーション(SAA)を決めるだけでなく、SAAをベースに適宜見直し、きめ細かい運用をやっていることを伝えていきたいと言います。

契約書類やリバランス時の報告書が多すぎるというのが顧客からの改善要望とのことです。

消費者アンケートでは、ファンドアップを選んだ理由・増額した理由として「パフォーマンスがよかったから」はもとより、
「分散投資ができる」
「お客様へのフォローがよいから」
「営業マンと定期的に話せるようになった」
「運用している中身がよく理解できるようになった」
といった感想が高い満足度につながったケースが多いようです。

販売員には全員にファイナンシャルプランナーの資格取得を目標に、社内でもファンドラップのロールプレイングを実施しているそうです。


水戸証券のIR資料によると、2014年3月末のファンドラップ残高は286億円。
中期経営計画での期間純増目標は190億円。
証券会社別には、大和 5,648億円、野村 2,417億円、SMBC日興 1,235億円、みずほ 302億円に次ぐ5位となっています(投資顧問協会開示資料より水戸証券集計)。

*筆者追記
「パフォーマンスがよかったから」というのは単にマーケットがよかったからというだけです。
逆にマーケットが横ばい、下落していく際にきちっとリレーションが継続できるかが、今後の試金石になります。
運用に通じている筋からはコストが高すぎるという批判の多いファンドラップですが、コスト以上の便益を提供できるかどうか、ファンドラップの今後が掛かっています。

【参考記事】
・2015/9/22 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その3)
ファンドラップ ~コストと期待リターン -多くの人は0.5%以下の利回りに2.5%以上の手数料を払っている!?
http://money-learn.seesaa.net/article/426530132.html

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