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2013年3月3日日曜日

金融リテラシーを上げるには実際に投資をするのが近道


ニッセイ基礎研究所・金融研究部門の北村智紀氏による「確定拠出年金(DC)への加入と金融に関する知識との関係」(2013/3/1)では、DC 加入者の知識が非加入者と比較して高いのかどうか、、株式投信の保有を考える機会が知識を高めている可能性と比較をしながら、検証しています。
・確定拠出年金(DC)への加入と金融に関する知識との関係
http://www.nli-research.co.jp/report/pension_strategy/2012/vol201/str1303d.html

DC 加入者の金融リテラシーが高まっているかについて、1600人を対象に、DC加入・非加入別、株式投信保有・非保有別に、実際に簡単なクイズに答えてもらい、正答率の違いを調査しています。

問 1:複利計算ができるか
金利が20%の場合、100万円は5年後にいくらになるか?
選択肢:(1)200万円、○(2)200万円より多い、(3)200万より少ない、(4)わからない

問 2:金利と債券価格の関係がわかるか
金利が上昇すると国債価格の値動きは?
選択肢:(1)値上がる、(2)変わらない、○(3)値下がる、(4)わからない

問 3:外国為替の動きと外国投資の収益の関係がわかるか
為替レートが円安の場合、外貨預金の円ベースの価値は?
選択肢:(1)増える、○(2)変わらない、(3)減る、(4)わからない

問 4:分散投資効果によりリスクが低下することを知っているか
個別株とインデックスのファンドではリスクが小さいのは?
選択肢:(1)個別株、(2)同じ、○(3)インデックスファンド、(4)わからない

問 5:ドルコスト平均法を知っているか、という何れも運用を行うには基礎的な事項である
ドルコスト平均法とは?
選択肢:(1)為替レートの平均値、○(2)定期的な投資、(3)売買の手法、(4)わからない

①DC加入者の正答率は上昇(10%有意水準)
②株式投信の保有者の正答率は上昇で有意水準も高い(1%有意水準)
③DC に加入することにより株式投信を保有することになった複合効果はない
という結果になっています。

一般に株式投信を購入しようとする者は、それなりに勉強し、金融に関する知識が高まると言われている。これは DC 加入の効果というより、株式投信保有の効果と考えた方が良いのかもしれないとのことです。

結果は DC 加入による投資教育の効果を表しているように見るが、必ずしもそうは言い切れない。金融リテラシーが高まるのは、DC 加入による投資教育の直接的な効果よりも、株式投信を保有するかどうか考える効果の方が大きいようである、との結論が示されています。
一方で、DC 加入者の資産配分を見ると預金などの安全資産が多いことを挙げ、「株式投信を保有するかどうか考えてはじめて金融リテラシーが高まるとすれば、運用対象として安全資産しか考えない人の金融リテラシーは高まりようがない。このような加入者の知識をどのように高めていくか課題」との認識が示されています。

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