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2016年2月26日金曜日

米国で広がるフィンテックの主なサービス 投資・資産運用分野ではロボアドバイザーのサービスも広がる

金融×ITのFintech(フィンテック)分野が注目を集めています。フィンテックは金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた用語です。
金融庁も2015年12月から、「FinTechサポートデスク」を設け、フィンテック関連ベンチャーなどから新規事業についての相談を電話で受け付け、法律面で問題がないかなどを回答する仕組みを作りました。金融庁は2015年の事務年度の金融行政方針で、国内のフィンテックの動きに速やかに対応するため、民間企業とも協力する方向性を示していました。
日本でも電通国際情報サービスが主催で金融イノベーションビジネスカンファレンスFIBCといったイベントも毎年開かれています。

フィンテックの分野とサービスは、世界経済フォーラムの研究では将来的な実用化に向けたテクノロジーも含め、①決済システム、②資金調達サービス、③銀行・融資サービス、④投資・資産運用、⑤保険、⑥市場インフラの 6 つの分野をフィンテックの中心としており、さらにその中で 11 のサービスが既存の金融サービスに影響を及ぼすイノベーションを生み出しているということです。
○決済システム
・キャッシュレス決済:モバイルペイメント、複数の支払い口座の統合サービス
・電子決済テクノロジー:暗号通貨、電子通貨、P2P 海外送金
○資金調達プラットフォーム
・クラウドファンディング:スマート人材雇用、投資評価
○銀行・融資サービス
・代替融資サービス:P2P 融資、SNS を活用した信用情報(クレジットスコア)
・顧客のニーズへの対応:複数の銀行口座へアクセス可能なプラットフォーム
○投資・資産運用
・投資家向けサービス:ロボットアドバイザー、ソーシャルトレーディング、アルゴリズム取引
・金融企業向けサービス:クラウド、アナリティクス、企業間取引支援
○保険
・保険対象の変化:シェアリング・エコノミー、自動運転車
・コネクテッド保険:IoT やウェアラブルデバイスを活用した保険
○市場インフラ
・市場プラットフォーム:データの自動収集とアナリティクス
・テクノロジー:人工知能、金融情報の自動解析、SNS 上の情報の感情分析

先行する米国では、ニューヨークのフィンテック関連ベンチャー企業への投資額は、2012 年に 2 億 1,100 万ドルだったものの、2014 年には 7 億 6,800 万ドルにまで急拡大しています。
内訳は、融資サービスへの投資が全体の 47%と約半数を占めており、続いて投資関連(15%)、決済サービス(13%)、資産運用(11%)、保険(1%)と続いているようです。
ニューヨークを代表するフィンテック企業には以下のような企業がいます。(図は「ニューヨークだより 2016年2月」 p7より)


資産運用系では、Betterment、LearnVest、BillGuardが挙げられています。
投資・資産運用分野では、様々な投資・資産運用サービスの自動化や、投資の知識を共有するソーシャルトレーディングなどの分野で注目が集まっています。個人投資家の資産運用を自動で行うロボットアドバイザーや、マーケット情報を基に株式や外国為替の自動取引を行うアルゴリズム取引などです。

(参考レポート)
米国におけるフィンテックに関する取り組みの現状(ニューヨークだより 2016 年 2 月)より
http://www.ipa.go.jp/files/000051015.pdf

アメリカでロボアドバイザーのサービスを提供している新興企業はベターンメント(Betterment)とウェルスフロント(Wealthfront)が知られています。
⇒2010年にニューヨークで「テククランチ・ディスラプト」会議を開始したベターンメント
⇒シリコンバレーを本拠とするウェルスフロント
・ユーザーはオンラインやモバイルアプリケーションを通じてリスク許容度や年齢、所得、目標などを入力する。アルゴリズムがこれに基づいて投資商品を提案する。低コストの上場投資信託(ETF)のバスケットの場合が多い。アルゴリズムは定期的に資産配分を見直し、節税目的で損失を確定したりもする。
・ロボアドバイザー企業が請求する年間手数料は運用資産の0.5%かそれ未満のこともある。フルサービスの証券会社は少なくとも1%は徴収する。年間リターンが同じなら10万ドルの投資で、20年間に5万ドル以上も差が付く。
・ロボアドバイス業界の運用資産は来年末には3000億ドルに達する見込み。2012年にはほとんどゼロだった。
・銀行幹部らは人間のアドバイザーが近い将来ロボットに取って替わられるとは思っていない。富裕層は相続や税金、その他アルゴリズムでは対応不可能な複雑な金融取引についてのアドバイスを必要としているからだ。

(参考記事)Bloomberg(2015/11/09)資産運用ロボットがやってくる-BOAのアドバイザー軍団に合流
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NXEFCM6KLVRW01.html

Wealthfrontの特徴:
自動で資産運用を行うロボットアドバイザーのサービスを提供している。口座開設の際に、ユーザーが回答したアンケートとプロフィールからリスク許容度を分析し、自動で資産運用を行う。追加投資した場合などに投資バランスを調整するなど細かい投資を行う。現在、20 億ドルの資産を運用している
(「ニューヨークだより 2016年2月」 p12より)

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