相続税が増税されている日本で、富裕層の相続税対策もまた脚光を浴びています。そのような富裕層の対策を追った記事です。
朝日新聞(2015/9/12)「その6億円、税金ゼロで息子さんに…」 節税ブーム
http://www.asahi.com/articles/ASH966G1JH96ULFA00L.html
記事要旨
・純金を100グラムに小分け
「小さなバーにしておけば贈与の場合も売る場合も便利。そりゃ(税金を)意識しています。税務署とは仲良くしないといけませんから」
・タワマン、時価と評価額の落差を「活用」
男性は6億円で株式会社をつくり、銀行から4億円借りて計10億円を用意。そのお金で、東京の六本木や赤坂などのタワマン物件を5戸購入した。息子には、その物件を所有する会社の株式を贈与した。贈与税は「0円」。息子は時価10億円の不動産を持つ会社のオーナーになり、実質的に父の財産を受け継いだ。
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息子はそのまま不動産オーナーでいてもいいし、時価の10億円で売れれば、銀行にお金を返しても6億円近い現金を手にできる。物件価格が下がるリスクはあるものの、父親は「まるで錬金術。親も子も救われました」と振り返る。
・孫を養子に
祖父の法定相続人は配偶者の祖母と、実子の娘2人だったが、全員の同意のもとであえて孫に遺産を集中させた。家を継げる男性が孫以外にいなかったこともあるが、相続税を減らす狙いもあった。
祖母や娘を経由して孫に遺産が相続されると、相続税も複数回納めなくてはならないが、祖父から養子への相続なら1回の納税で済む。「孫養子」と呼ばれる手法
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このやり方にはリスクもある。親族間の同意がないまま孫養子に遺産相続が集中すれば、別の遺族の遺産の取り分が減り、トラブルに発展しかねない
野村資本市場研究所の宮本佐知子・主任研究員の推計では全国の相続資産の規模は2030年にかけて年間60兆円に達し、総額1千兆円規模の資産が動き出すという。金融機関などは「巨大な市場」とみて節税指南に力を入れる。
少しでも税金を減らし、より多くの財産を子に残したいというのは親としては自然な思いかもしれない。だが、税制の裏をかくような行き過ぎた節税が広がれば、公平な社会に必要な「富の再分配」の機能が骨抜きになってしまう。
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