究極の相続税対策と言われる、「一般社団法人」の活用が広がり始めています。
簡単にだけ説明をしますと、株式会社とは別の「一般社団法人」という法人形態があります。
簡単にだけ説明をしますと、株式会社とは別の「一般社団法人」という法人形態があります。
一般社団法人は剰余金や残余財産を社員・設立者に分配が出来ない仕組みになっているため、持分のない法人とも言われます。剰余金や残余財産の分配がないため、財産的価値がなく、一般社団法人の持ち分は相続税評価がゼロになるというものです。
財産的価値はありませんが、運営の意思決定を行う理事等を親族で固めることで、事実上の支配権を確保します。
本えば、一般社団法人を設立し、そこに株式や不動産を移転すると、移転時に課税はありますが、その後の代々の相続税はなくなる、というスキームです。
このように、一見、相続税の課税がなくなるというメリットがありますが、主な留意点は下記です。
・財産移転後の一般社団法人の意思決定権を持つ役職の地位を巡って争いが起こる可能性がある。
・財産移転時の課税の軽減のため自社株対策により株式評価額を下げてから移転する必要がある。
・一般社団法人設立後の運営体制を事前にしっかりと検討する必要がある。
・一般社団法人スキームは「究極の相続税対策」とも言われますが、国民全員が一般社団法人を設立すると誰からも相続税の課税がなくなります。そのため、将来的に税制改正等がされて、意味がないものになってしまう可能性がある。(現時点では一般社団法人防止のための税制改正の具体的な動きは確認されてはいません。ただ、いずれ使えなくなるだろうというのが専門家間でのコンセンサスです。)
→一般社団法人の設立を検討して見送る方は、この点をリスクと感じてやめるという場合が多いです。一般社団法人の解散によって元へ戻すことは出来ますが・・
(参考)
全国各地で社団法人の「設立ラッシュ」が起きている。2013年までの2年間で1万7000社近く設立され、それ以前の2年間の2.4倍に膨らんだ。東京都内で事務所を構える税理士は「すべてとは言わないが、多くが相続税対策」と明かす。公益のために設立される建前の社団法人には税務上、財産の持ち分という概念がなく、相続税がかからない。資産の受け皿に“もってこい”というわけだ。
ある大手小売業の70歳代のオーナーも、3人の娘のために3つの社団法人の設立を検討した。ところが、この節税策を実行すると、その時点で莫大な相続財産の配分が決まってしまう。オーナーはまだ健在にもかかわらず、3人の間で相続争いが勃発。配分は宙に浮いたままだ。
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