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2015年10月27日火曜日

異次元の金融緩和で国債を吸い上げる日銀。既に発行残高の3割を保有。2017年が限界!?

黒田東彦総裁が日銀総裁に就任直後の2013年4月に異次元緩和を始めて2年半が経過した。2018年までの任期5年の折り返し点を過ぎ、市場のゆがみが表れてきている。
2015年10月の時点で日銀の保有国債残高は300兆円を超え、発行残高の3割を占める。
BNPパリバ証券の渡辺誠氏の指摘では、「あと2年が限界」。BNPパリバ証券の試算によると、このまま日銀が国債を買い続ければ、17年末に保有比率が5割を超える。
銀行などが取引の担保に使う国債を除くと、買える国債が事実上なくなり、いずれ債券市場は干上がることが見えている。
その時、金利はどうなるか??















日経「異次元緩和 ゆがむ市場(上) 国債運用が消える日」(2015/10/23付)より


(国債市場の概況)
国債の発行残高1000兆円超のうち、毎年発行する新規国債は40兆円未満。異次元の金融緩和により、日銀が年間80兆円も買い上げる。市場に出回る国債は減り、需給が締まって金利が低下(国債価格は上昇)する。金利低下は経済活動を刺激するが、同時に債券市場のゆがみも目立ってきた。
債券ディーラーの仕事の多くは、財務省から買った国債を数日後に日銀に転売する「日銀トレード」となっている。日銀が財務省から国債を直接買うと「財政赤字の穴埋め」との批判を受けるため、市場参加者がわずかな値ざやと引き換えに橋渡し役を担う。こうした実態に嫌気が差すディーラーも多いという。国内大手銀行・証券の債券ディーラーが、マイナス金利となるような高い価格でも国債を購入し、短期国債のマイナス金利も起きている。
日銀は財務省から直接国債を買っていないが、証券会社を介して新発債を短期間で買っている状況だ。事実上、政府の赤字を中央銀行が穴埋めする財政ファイナンスの色合いも増している。
金融機関は国債を扱う債券部門の縮小・撤退を余儀なくされている。アール・ビー・エス証券が国債市場特別参加者の資格を返上して国債取引から撤退したほか、ゴールドマン・サックス証券など他の証券会社でも花形ディーラーの海外転出などが続いている。

松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏「国内債券市場の関係者は、国債の買い入れ状況を見る限り技術的に困難が伴うとして、緩和なしとみている向きが多い。逆に国内でも証券関係者や、海外機関投資家は緩和あり、もしくはやるべきという意見が強いようだ」

中央銀行が市場から国債を買い上げる量的緩和は日米欧で実施されている。
日米欧の国債利回りは通常のファンダメンタルズでは説明できない低い水準で推移し、インフレ調整後の実質金利は日米欧ともゼロ周辺になっている。金利形成プロセスが下方に歪んでいる可能性がある。
これは、新たなバブルを生んでいる可能性も否定できない。

2015年10月30日の日銀政策決定会合後の記者会見で黒田総裁は、「追加緩和の手段が尽きているのでは」との質問に対し、「限界があるとは思っていない。現時点でも(日銀の国債保有額は)発行残高の3割弱。英イングランド銀行は7割くらいまで買い進んだ。日本も7割まで買うわけにはいかないが、すぐ限界がくるとは思っていない」と回答している。

量的緩和の行く末はどうなるか?

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