金融に関するニュースやブログ記事について紹介するブログです。
金融・経済の動向や、ライフプランとパーソナルファイナンス(資産運用、財産管理、タックスプランニング)、法人・個人の財務の話などをテーマとします。
2012年9月13日木曜日
ドイツの取るべき道は「慈悲深い覇権国」になるかユーロを去るか:ジョージ・ソロス氏
日経の2012/9/11付の記事「[FT]ソロス氏、独に決断迫る 「変心か離脱か」 」では、著名投資家のジョージ・ソロス氏のインタビューによるソロス氏の欧州債務危機
ソロス氏は、ドイツ政府の取るべき道は、
・成長促進や共同財政機関の創設、共同債の保証によって景気後退から脱出させる(他の欧州諸国と運命をともにして沈むか泳ぐかというリスクを取る)
・欧州の未来を救うために自ら通貨同盟を去る
のいずれかと主張しています。
ソロス氏の望む解決策はドイツのユーロ離脱ではなく、「ドイツがデフレ的な立場を捨て、パートナー諸国に対して「慈悲深い覇権国」として振る舞うこと」だと明言し、また、「債務国と債権国の現在の欧州の対立が恒久化するのを防ぐには、本格的な「欧州財政機関(EFA)」、すなわちECBが購入したすべての国債の支払い能力リスクを引き受ける欧州通貨基金が必要」だとソロス氏は指摘しているとのことです。
2012年9月5日水曜日
欧州債務危機とドイツ国債のマイナス金利の動向見通し
ロイターの2012/9/4付の記事「焦点:ヘッジファンドさえも悩ませる独国債の今後の値動き」では、マイナス金利(「ドイツ2年国債利回りは7月にマイナスとなり、現在はマイナス0.037%」)の続くドイツ国債について市場参加者の様々な見方をしていることを伝えています。
主な見方として、下記の点が挙げられています。
・特にユーロ圏の指導者が債務共有化(共同債)の考えを導入し、ドイツにより大きな債務負担を押し付ける方向で解決しようとした場合、ドイツ国債の極めて高い価格(極めて低い利回り)は下落(利回りは上昇)すると見込まれる
・スペインが正式に救済を申し出れば、ドイツはその救済コストに加えて次はイタリアの問題にさらされることになるので、ドイツ国債の利回りが上がるのは確実
・ドイツ国債の高価格は市場の不透明感によって妥当性が裏付けられている
・ユーロ圏が解体すれば価値あるドイツマルクで返済される可能性もある
・ドイツ国債の安全性ゆえに、投資資金の管理代としてドイツにマイナス金利を支払うだけの価値はある
・ドイツ国債を取引する上で重要な問題は、ユーロ圏債務危機が悪化していった場合に、ドイツ国債などの安全資産に対する投資家の需要が一段と強まるのか、あるいはドイツが他国の債務をより多く負担して借り入れコスト上昇を招くのかという点
・足元である2012年9月は、スペインやイタリアの国債買い入れ計画の詳細が発表される可能性のある欧州中央銀行(ECB)理事会や、米連邦公開市場委員会(FOMC)といったイベントがあり、投資家の失望が生まれる余地も大きいことから、一部のファンドはドイツ国債を再び買う態勢を整えつつある
・ドイツ国債の見通しが悪化した場合、オランダやオーストリアのCDSの方がドイツのCDSよりも動きが急速になる可能性がある
2012年8月17日金曜日
ドイツ債マイナス利回りはユーロ安要因。ユーロ共同債はドイツのマイナス金利を解消する可能性がありユーロ安要因。
ロイター(2012/8/5付)、第一生命経済研究所の首席エコノミスト・熊野英生氏による「コラム:円高を誘発するドイツとEUの信用格差=熊野英生氏」より。
・ドイツの債券利回りがマイナス金利になっている理由
「ドイツの債券利回りは、3年以下の年限でマイナス金利になっている」理由は、「金融機関の極端な安全志向」と説明しています。「7月のECB理事会では、政策金利を1.00%から0.75%へ利下げするとともに、預金ファシリティーの適用金利を0.25%から0%に引き下げた」が、「民間金融機関からすれば、ECBに0%で貸し付けておくことが望ましいかどうかの踏み絵」であり、「欧州の民間金融機関は、ECBに0%で預けるよりも、ドイツ政府という「貸し金庫」に資金を入れておく方が、手数料を支払ってでも合理的選択だと考えた」と解説しています。「ドイツのマイナス金利の幅は、ECBのリスクプレミアムが意図せざるかたちで表面化した」とのことです。
・ドイツの債券利回りの低下はユーロ安要因
ドイツの債券利回りの低下はユーロ安要因としています。ドイツの2年物金利と、米2年物金利の間の金利差は、ユーロ安・ドル高の動きと連動性が高く、「ドイツの2年物金利がマイナス幅を拡大させるほど、ユーロが減価するという反応」がみられるようです。ユーロ安の動きは、円高に繋がります。「過去のパターンから言えば、安全志向でドルが買われる時には、同時に円も買われて、相対的に円買い圧力の方が大きくなるために、ドル円レートを円高に向かわせることが多い」とし、ユーロ・ドルの両方に対して円高の要因になると解説しています。
・ユーロ共同債はドイツのマイナス金利を解消する可能性がありユーロ安要因
EUがユーロ共同債を発行するようになった場合の日本経済への影響について、「ユーロ共同債の発行は、スペインやイタリアがEU全体で資金調達するようになれば、長期金利上昇に悩まされなくて済むという発想に基づいて期待されている」が、欧州域内の財政統合へとつながり、ドイツ国民の税金と信用力を他国救済へと流用するもので「ドイツ政府にとっては迷惑な話」とします。EU全体の信用リスクを負うことにより、「現在のドイツのマイナス金利すら解消される可能性」があり、「欧州域内で南欧諸国からドイツに還流していたマネーが、欧州域外に流出する」ため、ユーロ安要因と分析しています。そして、「質への逃避の流れは、ドル買い・円買いへと向い、さらなる円高を誘発することになる」と予測しています。
IMFが「日本の為替介入に寛容な見方を示すようになっている」との指摘もしています。
2012年8月15日水曜日
欧州ソブリン危機が深刻化した場合の日米債券の下落リスク
大和総研のチーフエコノミスト熊谷亮丸氏による週刊エコノミストへの寄稿「円高株安――マネーフロー 世界のマネーフローの「逆流」による日米長期金利の上昇が最大のリスク」より。
欧州ソブリン危機が深刻化した場合、世界のマネーフローの逆流による混乱を危惧しています。
欧州ソブリン危機はリーマンショック時と似た傾向があるとし、リーマンショック発生時と比較して世界のマネーフローの分析をしています。
警戒すべき点は、①米債券安、②円債相場の下落(長期金利上昇)、③新興国株の下落、④ユーロ安の4点であるとし、③④は一部顕在化しており、①②に警戒が必要としています。実際に金融大混乱が起きるかどうかは、欧州ソブリン危機の動向次第と指摘しています。
政策当局の対応次第であり、金融システム危機を防止するセーフティーネット、各国の財政主権に切り込む形での構造改革、将来的な財政統合まで視野に入れた欧州共同債の発行やドイツからの財政移転などを実現できるかがカギであるとしています。
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