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2013年3月3日日曜日

国債の暴落に備えるには個人向け国債が良い?

モーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏の記事(2013/2/26)「国債の暴落に備える有効な商品は、なんと「国債(個人向け国債)」か?」は、史上最低の低金利(高価格)が続き、国債はまさにバブルの状態である。そして、いつ金利が上昇(価格が下落)してもおかしくないリスクを孕んでいるのは確かという状況の中、「投資家としては、国債の金利の上昇、価格の下落に備えて、債券から株式などに資金を移すのが通常の投資行動だが、実は、リスクも低く、かつ金利上昇にも対応できる金融商品が、皮肉なことに「個人向け国債」である。つまり国債のバブル崩壊のリスクヘッジは、国債(個人向け国債)で対応すると言うことである」と解説しています。
記事URL: http://bylines.news.yahoo.co.jp/tomoyaasakura/20130226-00023634/

内容は下記の通り。
・個人向け国債は、2011年12月募集分から、東日本大震災の復旧・復興支援に役立てることを明確にするために「個人向け復興国債」と名付けられた。商品そのものは以前と変わらず、「固定3年」、「固定5年」、「変動10年」の3種類
・その中でも比較的金利が高く、かつある程度の金利上昇のリスクヘッジとなる商品が「変動10年」の国債
・「変動10年」の国債のメリット
(1)1年経過後に解約すれば、元本割れはしない。
(2)下限の金利が設定されているとともに、金利上昇にも強い。
(3)投信に比べて、コストがかからない。

要は、
(1)10年国債は1年経過すれば中途解約可能であり、解約時に直近2回分の税引き後の利息をペナルティとして支払えば、元本が毀損することはないため、1年経過すれば、どのタイミングで解約しても元本割れはしないし、
(2)最低利回りが0.05%と決まっているので、低金利の状態が続いても、最低金利は保証される。一方、金利が上昇しても、半年ごとに付与される金利が変更されるので、金利上昇にも対応する(金利のフロアー(下限)が保証され、かつアップサイド(上昇)もとりにいけるといった非常に有難い商品)で、
(3)さらに、国債を販売する金融機関は、国から0.5%の手数料を受け取るが、直接投資家からは徴収しないので、通常の投資信託等を買うよりも低コストである、
というメリットがあるということになります。

一方で、債券市場関係者のブログ・85deskの記事(2013/2/26)「個人向け国債は国債の暴落への備えに有効か」では、「ざっくり言ってしまうと「利払い・償還に不安がある」と市場が思ったら暴落すると私は思う」し、「「変動10年の個人向け国債がJGB暴落ヘッジに有効である」と言うのには少々抵抗感があります。デフォルトリスクに対するエクスポージャーは変わらん」「固定利付きのJGBよりも金利上昇ヘッジ機能があることは認めますが、それを持って”国債暴落への備え”と言ってしまうのはちょっとどうかなぁと思った」との感想を述べておられます。
記事URL: http://85desk.blogspot.jp/

マネーの知恵(仮)関連記事:

・2013/3/17 [感想と書評]日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 橘玲/著
http://money-learn.seesaa.net/article/347446977.html


(ASKコメント)
*個人向け国債は金利分を払う変わりに元本保証という特別な設計になっているため、朝倉氏は、金利上昇懸念(債券価格の下落懸念)のある現状下で、そのメリットを享受できることを紹介しています。
ただ、日本国債のデフォルトという「有事」は想定していないのでしょう。
その点を、85deskさんは指摘をしています。
主張としては別にどちらも正しいかとは思いますが、ただちに日本国債のデフォルトを心配することもないかとは思います。
低金利の個人向け国債には個人的にはあんまり魅力を感じません。。。お金がたくさんあって、かつ、安全志向の人には良いのかなあと思います。

低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー
朝倉智也
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売り上げランキング: 1,794


・2012/12/28 AKB48を広告起用も不振の個人向け復興応援国債 「握手権」は必須か!?
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/akb48.html
・2012/11/19 AKB48の販売促進は厳しい状況の裏返し!? 個人向け復興応援国債のPR
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/11/akb48pr.html
・2013/3/1 日本国債金利は妥当か、バブルか?日本の財政懸念に賭けて利益を出す方法
http://moneyneta.blogspot.jp/2013/03/blog-post_6095.html
・2012/8/15 日本の国債相場が安定している理由(日本証券経済研究所の中島将隆氏の小論文「日本の国債相場を支えているものは何か」より)
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_6211.html
・2012/10/12 日本国債の金利上昇で銀行の損失 金利1%上昇で6.4兆円、2%上昇で13.3兆円
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html


2013年3月1日金曜日

日本国債金利は妥当か、バブルか?日本の財政懸念に賭けて利益を出す方法

日本国債の金利低下が続いています。10年物国債の利回りは0.65%。
















(日本相互証券株式会社より)



・Bloomberg(2013/3/1)「債券は続伸、追加緩和期待で長期金利10年ぶり低水準-超長期債に買い」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIYBT36JTSEQ01.html

2013/3/1の10年物は、長期金利の指標となる新発10年物327回債利回りは、0.5bp低下の0.66%で始まった後、水準を切り下げ、一時2.5bp低下の0.64%と、2003年6月26日以来の低水準を付けた。午後にかけては、下げ幅を縮小し、横ばいの0.665%まで戻したものの、午後3時すぎは0.65%で推移しています。

マーケット関係者のコメント
「需給要因に加えて、黒田東彦新日銀総裁に対する期待感も大きくなっており、追加緩和に伴う一層の金利低下を織り込む形で買いが膨らんでいる。20カ国・地域(G20)会議以降、円安の勢いが止まったことで売りが止まったことも背景にある」(大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長)
、「株高の影響で年金基金は株を売って超長期債を中心に債券を買わないといけない金額が大きい。年度末が意識されてリバランスの買いも強いのではないか。銀行も超長期債を買い始めている可能性がある」(メリルリンチ日本証券の藤田昇悟チーフ債券ストラテジスト)


一方で、浜町SCIコラムでは、長期金利が歴史的な低水準にあると指摘。

・浜町SCIコラム(2013/3/1)金利上昇にベットするアイデア(1)過去の金利推移を見直してみよう
http://www.hamacho.net/column/archives/8469
・浜町SCIコラム(2013/3/1)「金利上昇にベットするアイデア(2)国内の投資信託の活用」
http://www.hamacho.net/column/archives/8564


浜町SCIコラムによると、「長期金利の方向性はどちらもありえよう。しかし、超長期金利がすでに上昇を始めているように、いつかは長期金利も上昇に転じる。アベノミクスでインフレ目標を2%とするなら、タイミングの差こそさえあれ最低2%程度の金利上昇は予想してしかるべき」ということです。

また、長期金利の大底に国内の投資信託を購入する投資戦略、すなわち、長期国債をショート(空売り)し、長期金利上昇(=長期国債の価格下落)の時に儲かるようにポジションを取る方法についても解説されています。10年国債は1%金利上昇すると1割価格が下がります。

①長期国債先物をショート

・この市場はプロ向けのもので売買単位は額面で1億円である。
(取引金額はさらに大きく1.5億円弱となる。)
いかにレバレッジの恩恵があるにせよ、とても個人が関与するような規模ではない。

・東証はミニ長期国債先物の市場を用意している。これは上記の売買単位を1/10にしたもの。
つまり額面10百万円単位で取引ができる。(取引金額は15百万円弱)
これなら個人でも参加できるかも知れない。しかし、この金額は1単位としてはやはり大きすぎる。

・さらに小さい取引単位で相対取引を受けてくれる証券会社もあるにはある。
これについては以前検討したが、取引コストとカウンター・パーティ・リスクに注意

②長期国債先物をショートする投資信託
・日本債券ベア(T&Dアセットマネジメント)
主として日本の短期公社債に投資するとともに、日本の国債証券先物取引(長期国債標準物)の売建額が、原則として信託財産の純資産額の5倍程度となるように調整を行い、日本の長期債市場全体の値動きの5倍程度反対の投資成果を目指す。このファンドの基準価額は公社債の値動きと逆の方向に増幅されて動く。
・スーパーボンドベアオープン3(野村アセットマネジメント)
円建ての短期公社債などの短期有価証券を主要投資対象とし、国債証券先物取引を積極的に活用することで日本の長期債市場全体の値動きの概ね4倍程度反対の運用成果を目指す。運用にあたっては、日本の短期公社債等を中心に投資するとともに、国債証券先物取引を原則として信託財産の純資産額のほぼ4倍程度の売立て額で売立てを行う。
(出典: モーニングスター)

一方、投資信託については、「金利上昇が制御のしきれないペースで起きた場合、利益が取れるとは限らない。まず、日本の金融機関のほとんどが厳しい状況に置かれ、本来の機能を失いかねない。これら投資信託の運用会社はピカピカの会社だが、カタストロフィーではどうだろう。投資信託は分別管理しているはずだが、ポートフォリオの先物取引自体が安全とは限らない」と指摘がされています。


マネーの知恵(仮)関連記事:

・2013/3/17 [感想と書評]日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 橘玲/著
http://money-learn.seesaa.net/article/347446977.html

・2010/12/23 日本破綻「その日」に備える資産防衛術 藤巻健史/著
http://money-learn.seesaa.net/article/174733210.html
・2010/12/24 史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか グレゴリー・ザッカーマン/著 山田美明/訳
http://money-learn.seesaa.net/article/174811147.html
・2010/12/28 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち マイケル・ルイス/著 東江一紀/訳
http://money-learn.seesaa.net/article/176723522.html

【関連記事】

・2012/8/15 日本の国債相場が安定している理由
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_6211.html
・2012/10/12 日本国債の金利上昇で銀行の損失 金利1%上昇で6.4兆円、2%上昇で13.3兆円
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html
・・2012/10/13 日本の財政の現状を知る 財務省の「日本財政関係資料」(平成24年度予算 補足資料)より
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/24.html


2012年11月19日月曜日

AKB48の販売促進は厳しい状況の裏返し!? 個人向け復興応援国債のPR


米ヘッジファンド、ヘイマン・キャピタル・マネジメントのカイル・バス氏はかねてより「日本売り」を公言する人物ですが、2012/11/15の米バージニア大学が主催したカンファレンスで、日本国債の安全神話が崩れるとの主張を行ったようです。
参照記事:日経(2012/11/18)「「日本国債&AKB」を笑う米ファンド米州総局編集委員 藤田和明」

カイル・バス氏は、「構造的な転換点を日本は迎えている。すでにルビコン川を渡った」とし、3つの視点から確信は最近さらに深まったということです。
カイル・バス氏の主張:
1.経常赤字に転落する時期が早まってきた。これまで2013年後半と見ていたが、12月に発表される10月のデータから始まっておかしくない。中国での日本製品不買の動きが影響してくる。安倍政権になれば中国との今後の交易関係に影を落とす
2.日銀の独立性が危ぶまれる。政府の日銀への圧力で、国家財政を穴埋めする紙幣の増刷にブレーキが掛からなくなる。消費税も上げられそうにない
3.高齢化により家計の資産取り崩しが始まる時期の到来だ。年金も銀行も国債を買う側から売る側になる日がいずれやってくる

また、議論の途中で使ったのはAKB48の写真で、財務省が国債購入を促す宣伝に用いており、いかに売るのに困っているかの証左であり、「ミニスカートが好きなんだ。日本人は」まくしたてたということです。

日経記事では、ヘッジファンドのポジショントークでもあり、バス氏が日本国債の危機は「今後数カ月にも起きうる」と主張したのは2011年11月で、この1年で損失が出ていてもおかしくはないし、海外ファンドが日本国債に売りを仕掛けては失敗するという流れは1990年代以降、続いているという点を捕捉しています。
ただ、日本の財政は行き詰まるとの見方が深まっているのは間違いなく、多くの市場参加者が日本国債の売り手側に回れば、「市場からの規律」は突然やってくるかもしれないと指摘をしています。
「欧州債務危機で儲けたヘッジファンドたちは、次に狙える大きい市場は日本だと思い始めているんだろう」という会場で聞いた参加者のつぶやきの方が気になったということです。

カイル・バス氏の話のネタにもなった「AKB48」の国債への起用については、2012/5/28付けのWSJ記事「JGB48?――財務省、復興国債のPRにAKB48起用へ」で、AKB48が販売促進に一役買う国債の見通しは厳しいようだと伝えています。日本国債の需要が弱く、「財務省はAKB48の人気で、国債に対する意識が高まり、投資家が乗り気になって、低利回りを補ってくれることを期待している」ということです。
また、「ミニスカートとひざ下の靴下、大半が男性のファン層に訴える思わせぶりな歌詞といったAKB48のイメージは一見、まじめな日本の国債にとって際ど過ぎる感じもする」とコメントしていますが、過去に「2010年には国債投資が異性へのアピール度向上につながるとするビジネスマン向け広告を雑誌に掲載したことがある」と、財務省が型破りな販促戦略を採用したのはこれが初めてではないとのことです。
記事URL: http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/11532/



























(時事ドットコムより)

財務省は2012/11/16、人気アイドルグループの「AKB48」を起用した東日本大震災の復興応援国債のポスターを発表しています。仙台市出身で自身も被災した岩田華怜、高橋みなみ、大島優子、渡辺麻友、島崎遥香といったメンバー5人が登場し12月6日から販売する個人向け復興応援国債をPRするようです。
AKBメンバーが被災地で支援活動する写真を使用し、テレビCMも放映する予定ということです。
時事ドットコム: http://www.jiji.com/jc/eqa?k=2012111600775&g=eqa

【関連記事】

・2012/10/13 日本の財政の現状を知る 財務省の「日本財政関係資料」(平成24年度予算 補足資料)より
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/24.html
・2012/8/23 消費増税でも日本は増税・かなり突っ込んだ社会保障費の抑制が必要(伊藤元重教授の警告~2030年の日本の社会保障の制度について、年金の支給年齢引き上げ、医療費負担の増加、相続税増、高齢医療費改革、さらなる増税~)
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_9924.html
・2012/8/15 日本の国債相場が安定している理由(日本証券経済研究所の中島将隆氏の小論文「日本の国債相場を支えているものは何か」より)
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_6211.html
・2012/10/12 日本国債の金利上昇で銀行の損失 金利1%上昇で6.4兆円、2%上昇で13.3兆円
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html
・2012/10/11 IMF、日本の金融機関の国債保有の拡大に懸念 「銀行部門と財政部門の相互依存のリスクが高まっている」
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/imf.html

2012年8月23日木曜日

消費増税でも日本は増税・かなり突っ込んだ社会保障費の抑制が必要



日経BPネットの伊藤元重「瀬戸際経済を乗り切る日本経営論」の2012/8/23付の記事「消費税引き上げで市場に財政健全化の意思と能力を示した」より。

消費税率法案を財政健全化への一里塚にすぎないかもしれないが、重要な一歩であると評価しています。
一方で、「消費税を5%引き上げると、おおよそ13兆円前後の税収増が見込めるよう」であるものの、「政府は足元で毎年40兆円近い財政赤字」を出しており、「高齢化が今後ますます進む中で、13兆円程度の税収増は社会保障費の増大の中にあっという間に吸収されてしまう」。
「高齢化が進む日本で、社会保障費抑制で本当に難しいのは医療費」で、「現在の社会保障制度を維持するだけでも、毎年1兆円ずつ歳出が自然増で増え」、「5%程度の消費税率の引き上げでは焼け石に水」と言います。

「日本の財政健全化を実現するためには、社会保障費が無秩序に膨れ上がっていくことに歯止めをかけなくてはいけない。しかし、今のこの政治的な状況の中で、社会保障の改革を行うことは非常に難しい」問題であるとしています。
しかしながら、医療費の膨張という、「5年先、10年先という少し長い視点から、何が起きるのか、あるいは何をしなくてはいけないのか」に取り組んでいかなければならないと指摘しています。

「足元の状況だけを見るかぎり、ギリシャやスペインよりも、日本の方が財政的には問題が大きいように見える。それでも日本の国債利回りは非常に低い水準にある」理由は、「日本はこれからの制度改革で財政健全化を果たす意思と能力を持っている」と「市場がまだ信じているから」であり、「もしこの信頼が崩れたら、たとえ国内の貯蓄が国債の大半を購入していたとしても、国債の利回りは一気に上がっていくことになる」と警鐘を鳴らしています。

今後10年、20年では、「かなり突っ込んだ社会保障費の抑制策をとらなければいけないはず」で、2030年の日本の社会保障の制度について、年金の支給年齢引き上げ、医療費負担の増加、相続税増、高齢医療費改革、さらなる増税といった、柱となると思われるいくつかの点が挙げられています。
「・年金支給の開始年齢を相当程度引き上げる必要がある。今65歳だが、これがいずれ67歳になり、2030年頃には70歳にまで引き上げられているかもしれない。
・医療費、とりわけ高齢者医療費の抑制と、現役世代への過剰な負担を抑えることが鍵となる。毎年膨大な件数の相続が生じることからも分かるように、高齢者の中にも医療費負担能力のある人は多数いる。そこで、負担能力のある高齢者には費用の一部を負担してもらう方向に行かざるをえないだろう。それから、相続財政に対する課税を強化して、それを高齢者医療費に回していくという方向の改革も検討する必要がある。
・高齢者医療と介護の境界の見直しが必要となるだろう。今、多くの高齢者が医療費という形で介護的なサービスを受けている。「社会的入院」と呼ばれる現象である。スウェーデンなどでは、ずいぶん昔に、医療と介護の境界を見直している。こうした改革が高齢者医療費を抑制する上で大きな意味を持ったという。日本もその方向で大胆に改革する必要がある。
・以上で述べたような大胆な社会保障費の増大を抑える措置は必須だが、それでも社会保障費は増えていくだろう。そこで、それをまかなうためのさらなる増税が必要となる。北欧諸国のように25%まで消費税率を上げていくことが可能かどうかは分からないが、15%あるいは20%までの税率引き上げは視野に入れる必要がある。もちろん、消費税だけが財源ではない。社会保険料の改革、所得税・相続税・環境税による増税なども視野に入れる必要があるだろう。」




2012年8月20日月曜日

消費増税 待ったなし(大和総研チーフエコノミスト 熊谷亮丸氏)

日経ビジネスの2012/8/9付の記事「緊急提言、いま消費増税を決められなければ国が滅びる大和総研チーフエコノミスト、熊谷亮丸が語る」では、大和総研チーフエコノミストの熊谷亮丸氏がインタビュー形式で消費税増税について語っています。

消費税は安易な先送りがされてきたが、今しかない。消費増税は経済を停滞させるとは限らず、消費税率を上げてはならない局面は2つで、高インフレとリーマン危機級の時期と言います。
国内での国債消化は限界が近づいており、IMFもや政府の総債務残高が、近い将来、家計金融資産を超えると試算しており、また、日本の経常収支は2015年以降では赤字化の可能性があると指摘。「2015年前後までに消費税率引き上げを含む財政再建策が講じられないと、国債が暴落する可能性がある」との見解が示されています。

「様々な控除などにより所得税率が事実上1割以下という人が国民の9割」で、日本は「高福祉低負担国家」であり、「所得ではなく消費により多く課税することで、相対的に格差が是正され」という見方がされています。

消費税のメリットは、「水平的公平性の確保や世代間格差の是正、経済活動への中立性、そして、税収の安定性。この3つの消費税のメリットに付け加えて言うなら、世界の税制の潮流は間接税を高める方向に」沿っている点。
デメリットは、逆進性(低所得者の税負担比率が大きくなる)、益税(預り消費税と支払い消費税の差額で発生する、納められない消費税が事業者に残る)・損税(益税の逆)の問題がある点を挙げています。

消費税率引き上げを控えた歳出削減と経済成長には、消費税増税は避けられないと正直に言うこと、根拠のない感情に訴えるような消費税増税不要論にはロジカルに反論すべきという方策が提示されています。


消費税が日

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2012年8月15日水曜日

日本の国債相場が安定している理由


日本証券経済研究所の中島将隆氏の小論文「日本の国債相場を支えているものは何か」では、日本の国債相場が安定している原因を分析しています。
日本の国債相場が安定している見解は下記のものがあるとしています。
・家計部門の純金融資産説(家計部門の純金融資産>国債残高)
・企業部門の資金余剰説(企業部門の余剰資金が銀行を通じて国債に向かう)
・経常収支の黒字説(経常収支の黒字は一国全体でみれば貯蓄超過を意味し、国内貯蓄によって政府部門の資金不足を埋める)*余剰資金がただちに国債投資に向かうというのは理論的には無関係
・日銀の低金利政策(国債買い入れといった包括的金融緩和政策によって低金利政策が維持され、こうした政策で国債相場が維持される)
・インフラ整備による流動性の高い国債市場(流動性の高い国債市場が相場安定に寄与)

ただ、いずれも、なぜ資金が国債投資に向かうのかが検討されていないと指摘しています。

日本の国債に対する市場の信認は「担税力」であるとしています。すなわち、日本の財政債務がいかに巨額でも、債務を償還する余力があると市場が判断すれば、国債相場は安定する。増税の余地があり、受益に対する支払能力があると市場が判断すれば、または、国民の負担能力があると判断すれば、国債に対する不安は生じないと説明されています。

そして、国際比較では日本の国民負担率は低く、社会保障引上げの余地がある、租税負担率引き上げの余地があると指摘します。

「税と社会保険の一体改革」法案によりひとまず財政再建の道筋がつけられたと評し、財政再建の明確な青写真を作成することが日本の国債の信認を強固にする処方箋だと締めくくっています。



マネーの知恵(仮)関連記事
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2012年8月11日土曜日

消費増税法を巡る与野党調整の難航に市場は敏感に反応

日経記事(2012/8/11付)「市場の警告は終わらない」では、消費増税法を巡る与野党調整の難航で「廃案」の言葉が現実味を帯びた今週前半に日本国債市場ではヒヤリとする場面があったことを伝えています。

関戸孝洋ジャパンストラテジスト「欧州一辺倒だった海外投資家の視線が久々に日本に向いた」「あのまま政局の混乱が続いていれば、ヘッジファンドがデリバティブ(金融派生商品)市場で日本売りを仕掛けた可能性もあった」

記事では、「与野党調整が難航した8日、新発10年物国債利回りは一時、約1カ月ぶりに0.8%を突破。7日から2日間の上げ幅は0.06%と今年度最大を記録した」とのこと。
海外の投機筋は欧州危機で日本にはあまり目が向いていないが、「財政再建路線が揺らげば、金利急騰リスクが膨らむ」構図を指摘しています。
消費増税法の成立を受け、「長期金利は0.8%を割り込む水準で落ち着いた。安穏としていた債券市場を動揺させた“消費税ショック”は一時的だったが、瀬戸際の日本財政に注がれる厳しい視線は、金利急騰で金融システムが動揺する事態が今後も起こり得る現実を日本に突きつけた」と警鐘を鳴らしています。

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