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2012年11月18日日曜日

新興国投資の教祖(グル) テンプルトン・インベストメンツのマーク・モビアス氏が語る新興国・フロンティア市場の魅力


新興株への投資で有名なフランクリン・テンプルトン・インベストメンツというアメリカの運用会社があります。
フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ: http://www.franklintempleton.co.jp/

フランクリン・テンプルトン・インベストメンツで新興国にある18の運用拠点のアナリストを束ねる新興国市場部門統括責任者で、「新興国投資の教祖(グル)」と呼ばれるマーク・モビアス氏へのインタビューが日経ヴェリタスセレクト(2012/8/5)「新興国投資の教祖が語る 有望「フロンティア市場」マーク・モビアス氏に聞く」に掲載されています。

新興国・フロンティア市場への投資への見解についてメモしておきます。
メモ/
・新興国経済は鈍化しているとはいえ、平均成長率は5%だ。1%前後の先進国に比べると十分に高い
・新興国では内需も成長している。内需が拡大すれば、より耐久性のある経済になる。新興国は『離陸段階』に入った。中国がよい例
・2011年までの過去10年間では、10回のうち8回、新興国株が先進国株の収益率を上回っており、この傾向は今後も続くと思う
・強気の理由は3つある。
①成長率の違い。新興国の方が先進国よりも経済成長率が高い。
②資金の豊富さ。新興国は純債務国から純債権国に変わった。
③債務の少なさだ。債務残高の対GDP比率は先進国に比べて低く、この差は拡大している。先進国に比べ新興国の財政は健全
・BRICsで注目している国は中国とインド
→短期的には中国。巨大な消費市場を抱えている。今や世界第2位の経済大国。米国が年3~4%成長すれば、みな満足するように、中国も今後は2けたの成長は期待できない。だが今年も7%は伸びるだろう。この規模の経済にとって7%というのは非常に健全な成長率。10~15年後には人口が減少に転じると予想される。人口減少に備え製造業の高付加価値化を実現できるか、工場などの自動化を進められるかを注意深く見ていきたい
→中長期にはインド。人口構成がきれいなピラミッドになっており、若年層が多い。今の若年層が5~10年後にさらに購買力をつけ、消費市場が拡大すると期待できる。汚職問題などを抱えるが、政府は改革しようとしている。
この先10年で見れば、インドの成長率が中国を上回るだろう
・BRICsよりも興味を持って見ているのが、東南アジア諸国連合(ASEAN)とフロンティア市場
→ASEAN諸国は中国向けの輸出が増え、中国への依存度が高まるにつれ、政治的な影響力を高める必要があると思うようになった。一国一国は小さくても、集まれば力を持つと気づいた。中でもベトナムやインドネシアなどに注目している。ベトナムは労働コストの安さと生産性の高さ、そして天然ゴムなどの資源がとれる点が魅力。
インドネシアは人口が非常に多く、消費市場の拡大が期待できる。
→フロンティア市場の魅力は経済規模が小さいため、GDPの伸び率が高まりやすいこと。2001年から2010年までの10年間で、世界各国を経済成長率が高い順に並べると、上位10カ国のうち9カ国がフロンティア市場、6カ国がアフリカの国だった。
新しい技術をすぐに利用できる点も強み。新しい技術の利用は成長をさらに加速させる。例えば、最初から無線通信を使えるフロンティア国では電話線を引き固定電話を使う必要はない。
・運用資産の7~8割を先進国、2~3割を新興国に投資するとよい。若い人なら100%株で運用しそのうち新興国株が50%以上でもよいだろう。そして毎月一定額を規則的に買う購入方法を勧める。とくに新興国株は、危機などで株価が暴落した後の戻りが大きい。定額購入だと下落局面でより多く買えるので、株価が上昇に転じた時により高いリターンを得られる
フロンティア市場のなかでも投資割合が大きいのがナイジェリア。汚職がはびこっているものの、経済は非常に活気がある。貿易が盛んで人口も多い。ガスや原油など資源がとれる点も魅力。
ガーナにも投資をしている。同国の経済は価格の上下動が激しいココア頼みだ。政府は成長源の分散を図るため、民間投資を促そうとしていた。
ケニアやバングラデシュ、スリランカなども面白い

【関連記事】

・2012/11/18 フロンティア市場、エマージング債券のETFがSBI・楽天証券で取り扱い開始
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/11/etfsbi.html
・2012/11/8 注目の新興国 VIP(ベトナム、インドネシア、フィリピン)
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/11/vip.html
・2012/9/5 新興国債券に注目集まる
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/09/blog-post_6633.html

フロンティア市場、エマージング債券のETFがSBI・楽天証券で取り扱い開始

SBI証券と楽天証券がフロンティアおよびエマージング(新興国)マーケットのETFの取り扱いを開始しました。
取り扱い開始は両社とも2012/11/15からとなっています。

・[FM]iシェアーズ® MSCI フロンティア 100 インデックス・ファンド 信託報酬 0.79%
http://jp.ishares.com/product_info/fund/overview/NYSEARCA/FM.htm?qt=FM
・[EEMS]iシェアーズ® MSCI エマージング・マーケット小型株インデックス・ファンド 信託報酬 0.69%
http://jp.ishares.com/product_info/fund/overview/NYSEARCA/EEMS.htm?qt=EEMS
・[LEMB]iシェアーズ® 現地通貨建てエマージング・マーケット債券ファンド 信託報酬 0.60%
http://jp.ishares.com/product_info/fund/overview/NYSEARCA/LEMB.htm?qt=LEMB
*リンクはブラックロックの商品概要ページ

「フロンティア」市場とは、新興国市場のさらに次に有望とされるマーケットで、中・低所得国で構成され、その資本市場は「先進国」や「新興国」と比較すれば多かれ少なかれ未成熟な市場です。

例えば、FM(フロンティア 100インデックス・ファンド)の2012/11/15時点での上位保有銘柄の国別内訳は
クウェート 31%
カタール 15%
アラブ首長国連邦 12%
ナイジェリア 12%
パキスタン 4.8%
カザフスタン 4.0%
オマーン 3.4%
アルゼンチン 2.9%
バングラデシュ 2.7%
米国 2.6%
となっています。
業種は金融が56.8%、電気通信が15.2%と金融と電気通信が大きな割合となっています。

シュローダーズのTalkingPoint(2012/6)ではフロンティア市場について解説されています。
PDF: http://www.schroders.co.jp/mt/p/pdf/marketreport/20120615/1417/FrontierMarket.pdf

シュローダーズによると、FMのベンチマークとなっているMSCI 指数によって定義されるフロンティア株式市場について、アジア、東欧、アフリカ、中南米、中東など広範囲の地域の中の26ヶ国の株式市場で構成され、中でも中東地域のウェイトが全体の約 6 割を占めると説明されています。 また、「フロンティア市場では、健全な経済運営を行っている中東諸国から、他地域に比べて未発達ながら高い成長を遂げているアフリカの国まで、その構成国の特徴は多岐にわたる」ということです。
MSCI指数では、「MSCI エマージング・マーケット指数」と「MSCI フロンティア・マーケット指数」は完全に区分されており、両方の指数に属する市場はなく、現在フロンティア・マーケットでも将来エマージング・マーケットへ変更というように、経済や市場の動向によって構成国は変わるものとなっています。

地域ごとに経済成長の背景(成長の源泉)については下記の通り。
中東地域: 原油からの収益を軸に、経済成長の多角化を進める。
アフリカ地域:中国からの投資により電力網の設置などインフラ整備が行われており、天然資源の採掘が進むと期待される。
アジア市域: 低い労働コストを背景に、新たな生産拠点として注目されている。
東欧地域: コモディティ関連の産業の成長が期待される。

フロンティア経済は、経済発展の初期の段階にあり、先進国経済や新興国経済よりも高い成長を遂げると期待されるともされますが、エマージング市場以上に不確実性が高いとも考えられます。
ただ、下記の点で投資魅力が説明されています。
・MSCI フロンティア ・マーケット指数の予想収益に基づく2012年4月時点での予想PER は8.3倍、MSCI ワールド指数の11.8倍や MSCI エマージング・マーケット指数の9.5倍に比べ、大きくディスカントされた水準
・グローバルな視点で投資を行う投資家の中でも、実際にフロンティア市場へ投資を行っている投資家は、まだまだ少数派で、国際投資家のエマージング株式への投資額が約 6910 億米ドルと見積もられているのに対し、フロンティア市場への投資残高はその 1~2%、110 億米ドル程度と推測され、「先行者利益」が期待できる。
・分散効果が高い。フロンティア株式は、MSCI ワールド指数や S&P GSCI 指数などに対し低相関を示す傾向にある。 フロンティア ・マーケット指数の構成する各市場間の相関も低い。 これは、各国の株式市場が、その国独自の状況によって変動する傾向にあるため
・フロンティア株式市場は、構成各国の経済水準と比べれば、著しく未成熟な状態にあるといえるが、フロンティア経済が世界の GDP の 4.4%を占めるに対し、株式市場のウェイトは世界の 0.4%に過ぎないため、上昇余力が大きい


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