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2013年3月3日日曜日

アベノミクスで給料は上がるのか

ドクターZによる現代ビジネス(2013/3/3)「アベノミクスで給料は本当に上がるのか」では、アベノミクスでデフレから脱却してマイルドなインフレになると、給料がどうなるかについて論じています。
記事URL: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34975

・過去のデータより、デフレになったのは1995年度からなので、1971年度から1994年度の24年間をインフレ時代、1995年度から2011年度の17年間をデフレ時代と分類
・それぞれの年度で、給料の上昇率とインフレ率の関係を調べ、給料の上昇率がインフレ率を上回ったら「勝ち」、下回ったら「負け」

⇒結果は、インフレ時代は21勝3敗であるが、デフレ時代は5勝12敗と負け越し。さらに詳しく見ると、インフレ時代の平均給与上昇率は7・4%で平均インフレ率は4・9%、デフレ時代の平均給与上昇率はマイナス0・7%で平均インフレ率もマイナス0・1%。

アベノミクスの効果について、「アベノミクスとは、おカネを刷ることによって人々の気持ちをデフレ予想からインフレ予想に変え、それがさらに株高、円安をもたらすという政策だ。これが消費、輸出、設備投資の実需を生み、その結果、実際にインフレ率が高まり、さらに実需が増えるので、雇用、給料も増えていく」政策であり、給料は固定費であり一度上げると下げるのも大変ですから、「給料の増加は遅れてやってくる」ものです。

また、「正規雇用でなく非正規雇用では、需給が逼迫すると賃金の上昇は正規雇用より高くなる傾向がある。企業の儲け以上に賃金が払われることは考えにくいので、そうした通常の賃金上昇であれば、消費活動を後押しして経済活動に大きなマイナスはない」ことから、「非正規雇用に依存する業種では、給料の引き上げを前倒しして雇用の確保を図る企業が出てきても不思議でない」との見解が示されています。

(ASKコメント)
*財政出動、金融政策でデフレ⇒インフレが実現したとしても、企業業績が向上しないと給料増にはならないでしょう。持続的に給料が上がるには、3本目の矢である成長戦略が実現できるかどうかにかかっていると思います。
景気が良くなることを願います。

【関連記事】
・2012/12/28 藤巻健史氏による「アベノミクス」についての見解 「時すでに遅し」
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/blog-post_28.html
・2012/12/27 安倍政権の金融緩和政策 その先にある危なさ
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/blog-post_27.html
・2012/12/27 安倍政権の'アベノミクス'が失敗するリスク要因は
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/blog-post_869.html
・2013/1/11 ジム・ロジャーズ氏のアベノミクスへの見解「個人的にはミステイクだという気がしている」
http://moneyneta.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html


金融緩和で日本は破綻する
野口 悠紀雄
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金融リテラシーを上げるには実際に投資をするのが近道


ニッセイ基礎研究所・金融研究部門の北村智紀氏による「確定拠出年金(DC)への加入と金融に関する知識との関係」(2013/3/1)では、DC 加入者の知識が非加入者と比較して高いのかどうか、、株式投信の保有を考える機会が知識を高めている可能性と比較をしながら、検証しています。
・確定拠出年金(DC)への加入と金融に関する知識との関係
http://www.nli-research.co.jp/report/pension_strategy/2012/vol201/str1303d.html

DC 加入者の金融リテラシーが高まっているかについて、1600人を対象に、DC加入・非加入別、株式投信保有・非保有別に、実際に簡単なクイズに答えてもらい、正答率の違いを調査しています。

問 1:複利計算ができるか
金利が20%の場合、100万円は5年後にいくらになるか?
選択肢:(1)200万円、○(2)200万円より多い、(3)200万より少ない、(4)わからない

問 2:金利と債券価格の関係がわかるか
金利が上昇すると国債価格の値動きは?
選択肢:(1)値上がる、(2)変わらない、○(3)値下がる、(4)わからない

問 3:外国為替の動きと外国投資の収益の関係がわかるか
為替レートが円安の場合、外貨預金の円ベースの価値は?
選択肢:(1)増える、○(2)変わらない、(3)減る、(4)わからない

問 4:分散投資効果によりリスクが低下することを知っているか
個別株とインデックスのファンドではリスクが小さいのは?
選択肢:(1)個別株、(2)同じ、○(3)インデックスファンド、(4)わからない

問 5:ドルコスト平均法を知っているか、という何れも運用を行うには基礎的な事項である
ドルコスト平均法とは?
選択肢:(1)為替レートの平均値、○(2)定期的な投資、(3)売買の手法、(4)わからない

①DC加入者の正答率は上昇(10%有意水準)
②株式投信の保有者の正答率は上昇で有意水準も高い(1%有意水準)
③DC に加入することにより株式投信を保有することになった複合効果はない
という結果になっています。

一般に株式投信を購入しようとする者は、それなりに勉強し、金融に関する知識が高まると言われている。これは DC 加入の効果というより、株式投信保有の効果と考えた方が良いのかもしれないとのことです。

結果は DC 加入による投資教育の効果を表しているように見るが、必ずしもそうは言い切れない。金融リテラシーが高まるのは、DC 加入による投資教育の直接的な効果よりも、株式投信を保有するかどうか考える効果の方が大きいようである、との結論が示されています。
一方で、DC 加入者の資産配分を見ると預金などの安全資産が多いことを挙げ、「株式投信を保有するかどうか考えてはじめて金融リテラシーが高まるとすれば、運用対象として安全資産しか考えない人の金融リテラシーは高まりようがない。このような加入者の知識をどのように高めていくか課題」との認識が示されています。

2013年3月2日土曜日

QUICKが新情報サービス「Qr1」を提供


QUICKより
「Qr1、新登場! QUICKが変わる証券・金融リテール戦略の決定版」
http://www.quick.co.jp/whats_new/130117.html

・ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上を追及
株式、投資信託、債券、為替、商品など世界中の金融商品を徹底的に網羅。見やすいレイアウトとシンプルな操作性でユーザーエクスペリエンス(UX)の向上を追求。目的のコンテンツにすぐにたどり着けます。
・新しい検索機能とQUICK厳選のテーマで相場材料を逃さない
関連ニュースやキーワードも表示する新しい検索機能で、さまざまな切り口からセールストークをサポートします。QUICKが独自に選んだ注目の銘柄やテーマ、市場参加者がチェックしたニュースのランキングなども提供。相場材料を見逃しません。
・タブレット端末で説得力あるプレゼンも
オフィスのPCでチェックする操作感をそのままに、タブレット端末でもご利用いただけます。どこにいても最新の情報をキャッチでき、シナリオに沿った画面を事前に登録することで、投資家のみなさまに向けて説得力のあるプレゼンテーションができます。
・業務系システムとも連携
お客さまのシステムで利用している取り扱い銘柄や決済用コードなどがQr1と連携でき、業務の一体化を実現します。

日経(2013/3/2)「QUICK、4日から新情報サービス「Qr1」開始」:
QUICK(東京・中央)は3/4から、新しい金融情報サービス「Qr1」の販売を始める。金融機関のリテール向け営業の支援サービスとして、外国株や投資信託の情報を拡充した。営業マンが持ち運べるよう、タブレット端末やスマートフォン(スマホ)にも対応する。
 海外株は約70カ国4万銘柄の海外株データを網羅し、うち2000銘柄は企業概要などを日本語で表示できる。国内株もニュースなどのキーワードから簡易に検索できるようにした。投信は個々の投資事例ごとに、これまでの分配金などを加味した運用成績などを計算できる機能を追加した。

2013年3月1日金曜日

日本国債金利は妥当か、バブルか?日本の財政懸念に賭けて利益を出す方法

日本国債の金利低下が続いています。10年物国債の利回りは0.65%。
















(日本相互証券株式会社より)



・Bloomberg(2013/3/1)「債券は続伸、追加緩和期待で長期金利10年ぶり低水準-超長期債に買い」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIYBT36JTSEQ01.html

2013/3/1の10年物は、長期金利の指標となる新発10年物327回債利回りは、0.5bp低下の0.66%で始まった後、水準を切り下げ、一時2.5bp低下の0.64%と、2003年6月26日以来の低水準を付けた。午後にかけては、下げ幅を縮小し、横ばいの0.665%まで戻したものの、午後3時すぎは0.65%で推移しています。

マーケット関係者のコメント
「需給要因に加えて、黒田東彦新日銀総裁に対する期待感も大きくなっており、追加緩和に伴う一層の金利低下を織り込む形で買いが膨らんでいる。20カ国・地域(G20)会議以降、円安の勢いが止まったことで売りが止まったことも背景にある」(大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長)
、「株高の影響で年金基金は株を売って超長期債を中心に債券を買わないといけない金額が大きい。年度末が意識されてリバランスの買いも強いのではないか。銀行も超長期債を買い始めている可能性がある」(メリルリンチ日本証券の藤田昇悟チーフ債券ストラテジスト)


一方で、浜町SCIコラムでは、長期金利が歴史的な低水準にあると指摘。

・浜町SCIコラム(2013/3/1)金利上昇にベットするアイデア(1)過去の金利推移を見直してみよう
http://www.hamacho.net/column/archives/8469
・浜町SCIコラム(2013/3/1)「金利上昇にベットするアイデア(2)国内の投資信託の活用」
http://www.hamacho.net/column/archives/8564


浜町SCIコラムによると、「長期金利の方向性はどちらもありえよう。しかし、超長期金利がすでに上昇を始めているように、いつかは長期金利も上昇に転じる。アベノミクスでインフレ目標を2%とするなら、タイミングの差こそさえあれ最低2%程度の金利上昇は予想してしかるべき」ということです。

また、長期金利の大底に国内の投資信託を購入する投資戦略、すなわち、長期国債をショート(空売り)し、長期金利上昇(=長期国債の価格下落)の時に儲かるようにポジションを取る方法についても解説されています。10年国債は1%金利上昇すると1割価格が下がります。

①長期国債先物をショート

・この市場はプロ向けのもので売買単位は額面で1億円である。
(取引金額はさらに大きく1.5億円弱となる。)
いかにレバレッジの恩恵があるにせよ、とても個人が関与するような規模ではない。

・東証はミニ長期国債先物の市場を用意している。これは上記の売買単位を1/10にしたもの。
つまり額面10百万円単位で取引ができる。(取引金額は15百万円弱)
これなら個人でも参加できるかも知れない。しかし、この金額は1単位としてはやはり大きすぎる。

・さらに小さい取引単位で相対取引を受けてくれる証券会社もあるにはある。
これについては以前検討したが、取引コストとカウンター・パーティ・リスクに注意

②長期国債先物をショートする投資信託
・日本債券ベア(T&Dアセットマネジメント)
主として日本の短期公社債に投資するとともに、日本の国債証券先物取引(長期国債標準物)の売建額が、原則として信託財産の純資産額の5倍程度となるように調整を行い、日本の長期債市場全体の値動きの5倍程度反対の投資成果を目指す。このファンドの基準価額は公社債の値動きと逆の方向に増幅されて動く。
・スーパーボンドベアオープン3(野村アセットマネジメント)
円建ての短期公社債などの短期有価証券を主要投資対象とし、国債証券先物取引を積極的に活用することで日本の長期債市場全体の値動きの概ね4倍程度反対の運用成果を目指す。運用にあたっては、日本の短期公社債等を中心に投資するとともに、国債証券先物取引を原則として信託財産の純資産額のほぼ4倍程度の売立て額で売立てを行う。
(出典: モーニングスター)

一方、投資信託については、「金利上昇が制御のしきれないペースで起きた場合、利益が取れるとは限らない。まず、日本の金融機関のほとんどが厳しい状況に置かれ、本来の機能を失いかねない。これら投資信託の運用会社はピカピカの会社だが、カタストロフィーではどうだろう。投資信託は分別管理しているはずだが、ポートフォリオの先物取引自体が安全とは限らない」と指摘がされています。


マネーの知恵(仮)関連記事:

・2013/3/17 [感想と書評]日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 橘玲/著
http://money-learn.seesaa.net/article/347446977.html

・2010/12/23 日本破綻「その日」に備える資産防衛術 藤巻健史/著
http://money-learn.seesaa.net/article/174733210.html
・2010/12/24 史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか グレゴリー・ザッカーマン/著 山田美明/訳
http://money-learn.seesaa.net/article/174811147.html
・2010/12/28 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち マイケル・ルイス/著 東江一紀/訳
http://money-learn.seesaa.net/article/176723522.html

【関連記事】

・2012/8/15 日本の国債相場が安定している理由
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_6211.html
・2012/10/12 日本国債の金利上昇で銀行の損失 金利1%上昇で6.4兆円、2%上昇で13.3兆円
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html
・・2012/10/13 日本の財政の現状を知る 財務省の「日本財政関係資料」(平成24年度予算 補足資料)より
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/10/24.html


債券市場、為替市場、株式市場が全く別々に動いている理由(藤沢数希氏より)

金融ブロガーの藤沢数希氏がアゴラ「量的緩和と株式投資家のバカの壁」(2013/3/1)に寄稿し、アベノミクスで為替は円安、株価は上昇、債券は低金利が続いているという現象をユニークに解説しています。
記事URL: http://agora-web.jp/archives/1521896.html

「市場の期待で円は安くなり株価は上昇した。衆院選を控えた昨年11月ごろの日経平均は8600円程度だったので、自民党への政権交代が期待され、そして実際に自民党政権になってからの3ヶ月の間に日本株は30%以上も上がった」。
債券市場、為替市場、株式市場が全く別々に動いているのは実に興味深いことで、なぜ株価が上がったのか、なぜ日本国債の長期金利が低いままなのか、そして今の株価は高すぎるのかどうかという視点を、債券市場、為替市場、株式市場のそれぞれの観点から藤沢数希氏の考えが示されています。

①株価が上がった理由
・企業業績が改善されたというよりも、安倍総理のアベノミクスによるところが大きいというのが大方の見方
・仮にデフレ脱却が成功し、マイルドなインフレが起こると予想するならば、まず長期金利が上昇するはず。「実質金利 = 名目金利 - 期待インフレ率」なので、名目金利は実質金利+インフレ率となり、インフレ予想でダイレクトに決まってくる
・しかし、名目金利は逆に低いままで、ついには長期金利は0.7%を下回ってしまって、歴史的に最低になっている。
・理由は簡単。債券市場の投資家はプロばかりで、量的緩和に意味が無いことがよく分かっているのだ。だからアベノミクスで何も変わらないことを知っている。ゼロ金利下で、日銀がいくら銀行から短期国債を買っても、それは銀行が持って寝かせておいた国債が、寝かせておく現金に変わるだけで、実質的に何も変わらない。

②為替が円安になった理由
・為替トレーダーは心理学の世界である。ファンダメンタルズは重要だが、ファンダメンタルズの理論で分かることは、1ドル50円だったら円は高すぎだし、1ドル150円だったら安すぎだろう、ということぐらいだ。
・為替市場では、日本の個人投資家(ミセス・ワタナベ)などの大量の素人トレーダーが取引している。こうした集団の心理を予想して、プロのトレーダーは取引している。つまりアベノミクスで円安になると多くの集団が予想すると予想すれば、円を売る理由になるのだ。

③株価が上がった理由
・株式市場の投資家は、この中では一番知能が低い。日本でいえば、数学なしの受験で私大の文系大学に入学したような人たちだ。
・株式投資家たちは、量的緩和というのは、中央銀行がやる日本円の株式分割であると理解した。
・残念ながら、数学なしの受験で私大に入ったような人たちが主役の株式市場では、未だにゼロ金利政策と量的緩和の区別が付いている人はほとんどいない。だから流動性の罠などといわれても、全くもって分からない。こうして債券市場の投資家が全く相手にしていなかったアベノミクスが、株式市場では大いに効果を発揮したのである。
・日本株のファンダメンタルズを見ると、すでに割高の水準になってきている。アメリカや世界の株式市場のPERは15倍程度で、新興国にいたっては10倍ちょっとにも関わらず、日本株のPERは20倍である。明らかなバブルとはいえないまでも、すでに日本株はちょっと割高である。

④これから、どうなる?
・結果的に、量的緩和の誤解によって、日本経済は好転するのかもしれない。やはり株価が上がると、みんな気分がいいのである。
・これからは規制緩和や構造改革の気運を再び高めることによって、日本の底力を上げ、先行する株価に追いつくようにしてもらいたい。それができなければ、かつての民主党政権のように、早晩に株価も支持率も下落することになろう。
・最後に大事なことを言っておくと、確かに株式投資家は債券投資家よりも勉強はできないが、一方で、勉強ができる債券投資家が間違っている可能性もある。なんせ、あのサブプライム住宅ローンが入った金融商品の利回りを計算していたのが、金融工学や数学や物理学でPhDを取った債券投資家の人たちなのだから。細かいことは分かっていても、大事なことが分かっていない可能性がある。日本の財政破綻が本当に起こるとしたら、正しいのは株式投資家の方だったということになる。


【関連記事】
・2012/8/14 リーマン・ショック・コンフィデンシャル書評(金融日記より)
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/08/blog-post_1478.html

マネーの知恵(仮)
・2012/9/19 外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々(藤沢数希/著)読後の感想
http://money-learn.seesaa.net/article/293271618.html



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