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2013年3月1日金曜日

上場促進へ規制緩和検討 最低株主数を引き下げ(日経より)


日経(2013/3/13)「政府、上場促進へ規制緩和検討 最低株主数を引き下げ」より:

政府は成長企業の新規株式公開(IPO)を促すため、市場規制の緩和を検討すると伝えられています。
上場前の増資をしやすくしたり、上場に必要な最低株主数を引き下げたりすることを規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)で議論する予定ということです。
安倍政権は民主党政権下で活動を停止していた規制改革会議の再開を決め、1月下旬に初会合を開いた。会議は月1回のペースで開催し、6月に答申をまとめるようです。

報道されているトピックは2点。
・現在はIPO前の1年以内に割当増資に応じた投資家は、IPO後の半年間は原則株式を売却できない。この期間を短縮できれば、IPO前の増資に応じる投資家が増える可能性がある。東証の新興市場でも300人以上と規定しているIPO時の最低株主数を下げれば、少数株主の企業でもIPOが可能になる
・発行済み株式数の5%超の株を保有する投資家は持ち株に1%以上の変動が発生した場合、大量保有報告書を提出する必要がある。投資家などの負担が重いため、政府は投資家に報告書の提出義務が生じる範囲を狭めることを検討する。上場企業の四半期ごとの業績開示についても、事務負担の軽減を目指す。

IPOが増えれば新興企業への資金供給が増え、株式市場も活性化すると効果が期待されています。

2012年12月30日日曜日

2012年の東京証券取引所の新規上場の状況


東京証券取引所「東証IPOセンターメールマガジン」より、2012年の新規上場の状況が公表されています。

2012年の新規上場の状況は下記の通り。

○東証への新規上場会社数(他市場からの経由上場を含む)

  2012年 60社(本則市場34社、マザーズ24社、プロ2社)
 ※プロ=TOKYO PRO Market(旧TOKYO AIM取引所)
 ※12月25日現在の予定ベース

 (備考)
 ・東証として60社の上場は2007年以来の高水準でした。

 (参考)過去5年間の推移
  2007年通 期 55社(本則市場33社、マザーズ22社)
  2008年通 期  41社(本則市場29社、マザーズ12社)
  2009年通 期 13社(本則市場 9社、マザーズ 4社)
  2010年通 期 20社(本則市場14社、マザーズ 6社)
  2011年通 期 41社(本則市場29社、マザーズ11社、プロ1社)

○国内IPO企業数(東証以外の市場も含む)
  2012年 48社(本則市場7社、マザーズ23社、プロ2社、東証以外16社)
 (備考)
 ・国内IPO企業数が3年連続増加(2009-12年)は1992-96年以来のトレンド。
 (参考)過去5年間の推移
  2007年通 期 121社(本則市場12社、マザーズ22社、東証以外87社)
  2008年通 期  49社(本則市場 7社、マザーズ12社、東証以外30社)
  2009年通 期  19社(本則市場 6社、マザーズ 4社、東証以外9社)
  2010年通 期  22社(本則市場 6社、マザーズ 6社、東証以外10社)
  2011年通 期  37社(本則市場 9社、マザーズ11社、プロ1社、東証以外16社)

○都道府県別IPO企業数
 2012年通期
   26社 東京都
     3社 大阪府、福岡県
     2社 北海道、千葉県、大分県
     1社 秋田県、福島県、埼玉県、神奈川県、静岡県
          愛知県、兵庫県、山口県、徳島県、愛媛県
  (備考)
 ・国内のほぼ全ての地域から上場企業が誕生。
 (参考)
 2010年通期
   15社 東京都
     2社 福岡県
     1社 神奈川県、富山県、長野県、岐阜県、大阪府
 
  2011年通期
  25社 東京都
     2社 大阪府、愛媛県
     1社 栃木県、埼玉県、神奈川県、富山県、愛知県
          三重県、島根県、福岡県


【関連記事】
・2012/12/23 2012年は「IPO48」 IPOマーケットは新規上場社数、初値騰落率も回復傾向
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/2012ipo48ipo.html
・2012/9/22 VCから投資を受けたベンチャーの多くは失敗するが、失敗の中に成功あり
http://moneyneta.blogspot.jp/2012/09/vc.html
・2012/12/6 東証によるIPO(新規上場)前のファイナンス規制http://moneyneta.blogspot.jp/2012/12/ipo.html

2012年12月23日日曜日

2012年は「IPO48」 IPOマーケットは新規上場社数、初値騰落率も回復傾向


2012年のIPO(新規上場)社数は46社となりました。
TOKYO PRO Marketに名称変更されています)の2社を加えると、今年の年間IPO社数は48社で、AKB48に引っかけ「IPO48」などという冗談も出ているそうです。
48社は、49社だった2008年以来の水準で、2009年以降の低迷から、徐々に新規上場社数も回復してきています。

「国内全証券取引所の新規上場会社数、上場廃止会社数の推移」




















大和総研(2011/12/27)「上場会社数の減少が続く国内証券取引所」より


日経(2012/12/21)「12年の新規上場46社、初値が公募価格49%上回るリーマン前の水準に、スマホ関連がけん引」の記事では、上場初値が公募価格を平均49%上回ったとも伝えています。

初値上昇率が最高だったのは、12月11日に上場したソーシャルゲーム運営のenishで3.1倍。
12月20日に東証マザーズに上場したユーグレナもミドリムシを使った健康食品製造などユニークな業態が注目を集め、上場2日目の21日に公募価格の2.3倍の初値をつけた。同日終値で時価総額は100億円を超えたということです。

11月以降の株高により、「新規公開株の主要な買い手である個人投資家の投資意欲が高まった」と記事では分析しています。
また、「特にスマホを使った交流ゲーム関連などは「既に上場している会社の業績がよく買い安心感につながっている」(いちよし証券の宇田川克己投資情報部課長)」とのこと。
ただ、初値上昇の背景には、会社の規模が小さく需給が引き締まった事情もあるようです。ネット事業では大規模な資金調達の必要はないですし、「新規上場時に会社が新株発行で市場から調達する資金額は1社当たり16億円と前年比6割減った」とも伝えられています。

会社の“年齢”も若返っているようです。
設立から上場までの期間は2012年の上場企業で平均19.77年(東京IPO調査)ということで、「06年以降は“高齢化”が進んでいたが、7年ぶりに20年を下回った」ということです。

2012年12月6日木曜日

東証によるIPO(新規上場)前のファイナンス規制


IPO(新規上場)前の資本政策には会社法や金融商品取引法によるルールに則る必要がある他に、上場市場が東証の場合には「有価証券上場規程第217条及び有価証券上場施行規則」により一定の規制が定められています。

M&A案件を扱う弁護士の井垣太介氏のブログ'M&Aの世界へようこそ!'の記事(2012/12/5)「IPO前の第三者割当増資/新株予約権発行」では、上場前のファイナンスに係る東証の規制について解説がされており、本記事を参考にします。
記事URL: http://taiigaki.blog62.fc2.com/blog-entry-198.html
東証参考URL(Ⅸ 上場前の公募又は売出し等について): http://tse.symmanual.jp/index.php?SECTION_DIV1_NODEID=496672792

東証による規制は、①第三者割当増資、②従業員等以外の第三者への新株予約権、③従業員等へのストックオプションの3種類があります。

要点は下記の通り。
主に、上場に近い時(直前期の期首以降)に引き受けた増資新株や新株予約権は、上場日後の6ヶ月間は売却が制限されるというものです。

① 第三者割当増資について(規則第255条)
・増資自体は自由だが、直前期(上場する会計期間の前事業年度)の期首以降に増資を引き受けた株主は、原則として上場日以後6か月間所有しなければならない
・会社と株主が継続所有や情報開示への協力等に関する確約書を東証に提出

②従業員等以外の第三者への新株予約権について(規則第257条)
・新株予約権の割当自体は自由だが、直前期の期首以降に割り当てを受けた新株予約権と新株予約権の権利行使により取得した株式を、原則として上場日以後6か月間所有しなければならない
・会社と割り当てを受けた者が継続所有や情報開示への協力等に関する確約書を東証に提出

③役員又は従業員等へのストックオプションについて(規則第259条)
・社外協力者や契約社員及び入社前の者は「役員又は従業員等」には該当しない
・ストックオプションの割当自体は自由だが、割当日から上場日の前日まで継続所有しなければならない
・会社と割り当てを受けた者が継続所有や情報開示への協力等に関する確約書を東証に提出

「上場前の新株(予約権)発行は短期的な利益確保につながりやすいため、投資家を煽って行き過ぎた資金調達につながる可能性もありますし、他の株主との関係で公正さに疑義が生じる場合」も考えられるため、これらを防止すための趣旨となっています。
これを守らないと、原則として東証が上場させてくれない、ということになります。

マネーの知恵(仮)関連記事:

・2011/10/6 [日経記事]「ベンチャー投資促進 経産省「種類株」促進、リスク減」より
http://money-learn.seesaa.net/article/229002316.html
・2010/12/27 株式'後悔' 後悔せずに株式公開する方法 チームIPO(杉山央、茂田井順一、澤井泰良、青嶋康雄)/著
http://money-learn.seesaa.net/article/176393751.html
・2011/1/2 起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと 磯崎哲也/著
http://money-learn.seesaa.net/article/178108611.html

2012年9月11日火曜日

JALのIPOの公開価格は仮条件レンジの上限の3790円に決定


日経の2012/9/10付の記事「再上場の日航、時価総額6900億円 相場の先行き左右」では、売り出し価格が10日、仮条件レンジの上限の3790円に決まったと伝えています。
売り出し価格から算出した時価総額は6873億円となり、10日終値での航空各社の時価総額はライバルの全日本空輸(ANA)が6329億円、世界の大手ではシンガポール航空(約7800億円)、中国国際航空(約7200億円)などと大手の一角になります。

会社更生後のリストラで、収益力の強さが高評価になっています。2012年3月期の「売上高営業利益率は17%と6~7%のANAや中国国際を上回る」と、他社と比べて高い企業体質となっています。
収益力の維持がポイントで、
・格安航空会社(LCC)の台頭を受け、運賃引き下げ圧力
・合理化で切り詰めてきた人件費も2013年3月期は増加となり、13年3月期の営業利益は約3割減の見通し
・採算の良い国際線ビジネス客の獲得
と挙げられています。

JALの再上場を機に、日本株の活性化への期待と、一方で、「再上場後の日航株が低迷するようだと投資家心理を冷やし、相場全体の重荷になりかねない」と、日本株全体へ影響が大きいと伝えています。

関連記事:

2012/9/8 JAL再上場 売り出し価格は低めに設定だが上場後の短期での利益確定売りに注意

2012年9月8日土曜日

JAL再上場 売り出し価格は低めに設定だが上場後の短期での利益確定売りに注意

2012/8/30「JALのIPOは個人投資家に不人気? 大型IPOのプラス面とマイナス面」のアップデートです。

WSJの2012/9/8付の記事「JAL再上場、売出価格は仮条件レンジ上限か」は、9/19に東京証券取引所に株式を再上場(IPO)する日本航空(JAL)の最大調達額約6600億円となる大型IPOの動向について報じています。

売り出し価格は、投資家を呼び込むため意図的に低く設定した3500~3790円という仮条件レンジの上限に近くなるとの観測が伝えられています。

「全体の購入者の5割から7割を占めるとみられる個人投資家の需要を喚起するため仮条件は低く設定されている」とのこと。
応募数は定数に達したもようであるものの、JAL株を買う多くの個人投資家が短期で利益を出そうとする可能性があると指摘がされています。
いちよし投資顧問の秋野充成運用部長の「長期で買おうとしてる人はあまりいないとは思うけど、ほとんどの人は1週間とか2週間のうちに益出ししようと思って買ってるんじゃないですかね」とのコメントが掲載されています。「燃料価格の変動や激しい競争、格安航空会社(LCC)の日本市場参入などに直面するJALは、2013年3月期の営業利益が前年度から27%低下すると予想」され、「長期的な妙味に欠ける」という面も指摘がされています。

一方で、「仮条件レンジ内のどの価格をとっても割安な価格となっているとみており、売出価格は3750円近辺になると予想」する見方もあるようです。
SMBCフレンド証券投資情報部の中西文行部長による、売り出し価格は「上限。筋肉質な企業体質、収益構造に生まれ変わり、収益も非常に伸びている。個人投資家に人気が高い」「今のマーケットの地合いもJALには追い風」とのコメントが掲載されています。

また、株式を売り出す企業再生支援機構の政治的な要因もマイナスと伝えられています。

フォローアップ記事:

2012/9/11 JALのIPOの公開価格は仮条件レンジの上限の3790円に決定



2012年8月30日木曜日

JALのIPOは個人投資家に不人気? 大型IPOのプラス面とマイナス面

Bloombergの2012/8/30付の記事「個人投資家から冷めた声も日航の上場前に-株主優待の魅力薄れる」では、日本航空(JAL)のIPOについて「一部の個人投資家などから日航の株主となることに冷めた声も聞かれる」と伝えています。
背景は、LCCの相次ぐ運航開始により株主優待(普通運賃の半額)の魅力が薄れつつあること、破綻前の株主が痛い思いをした経験などのようです。
経営破綻した「2009年12月末段階では、日航の個人株主は全体の約59%」ということです。

新生JALのIPOは「売り出し価格は、30日に仮条件が決まる。正式決定は9月10日の予定。売り出し株数は国内外で計1億7500万株。売り出し価格が1株当たり3790円とした想定売り出し価格通りの場合、売り出し総額は6600億円超の見通し」とのこと。

東京IPOの西堀敬編集長は「上場廃止になる直前の個人株主数は約36万人で、多くの人が株式投資で実損を被っている。また、公的資金を使った支援や税制優遇などの点での不満などが背景にあるようだ」とコメントしています。

総合的には、コスト削減や採算管理による収益性向上や想定価格からの利益率や投資指標からは投資妙味があるが、マーケットの地合いの悪さ、政治リスクや全日空の公募増資などの影響といったマイナス面が指摘されています。


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追記:
日経 2012/8/30付「日航の調達額は6120億~6630億円 9月に再上場 売り出し価格の仮条件決定」より。
8/30、「株式売り出し価格の仮条件(1株あたり3500~3790円)に、売り出し株数1億7500万株を掛け合わせて算出した」と報じられています。
「上場時の発行済み株式総数(1億8135万株)をもとに算出した想定時価総額は6300億~6800億円」で、「市場から吸収する金額は概算で6120億~6630億円」とのことです。

フォローアップ記事:
2012/9/8 JAL再上場 売り出し価格は低めに設定だが上場後の短期での利益確定売りに注意